歴史に触れて~勾玉の作り方を紹介します~

誰もが一度は目にしたことのある、勾玉。古くからあるにも関わらず、その多くは未だ謎に包まれ、あの何とも言えぬ不思議な形で私たちを魅了します。今回はその勾玉を作り方をご紹介します。作り方は意外と簡単なので、ぜひ世界に一つだけの勾玉を作ってみてください!

目次

  1. はじめに
  2. 深く知りたい勾玉
  3. 簡単・勾玉の作り方
  4. 作り方の手順~実際に作ってみましょう~
  5. 最後に

はじめに

山

勾玉とは

古代からある装身具の一つで、時に祭祀に用いられることもあったようです。
日本最古の歴史書である「古事記」、伝存する最古の正史「日本書紀」で、その名が登場します。

「古事記」によると天孫降臨の際、天照大御神が瓊瓊杵尊に八尺の勾玉、鏡、そして草薙の剣を授けたとされています。また、「日本書紀」には、天照大神が天津彦彦火瓊瓊杵尊に鏡(八咫鏡)、玉(八尺瓊勾玉)、剣(草薙剣)を賜ったとあります。
ここで出てくる玉(八尺瓊勾玉)とは、大きな勾玉であり、一説では八尺の緒に繋いだ勾玉とも言われています。古代において、この三種の組み合わせは皇室特有のものではなく、支配の象徴であったと考えられているそうです。

現在、実物とされる八咫鏡はご神体とされる伊勢神宮、草薙剣は熱田神宮、八尺瓊勾玉は皇居に祀られ、年中行事に使われる形代は、全て皇居に安置されています。しかし、皇族はおろか歴代の天皇ですら実見されたことはないほどの秘宝のため、未だ多くの謎に包まれています。

深く知りたい勾玉

表記が違う!?勾玉表記の謎

勾玉表記は、実は2つあります。
「勾玉」と「曲玉」。どちらも勿論意味は同じです。
日本書紀では「勾玉」、古事記では「曲玉」とされています。実は、この謎に対する答えはありません。しかし、はじめ曲玉の字を当てたものの「曲」には悪い意味もあるため、勾玉に改めたのではないかというのが有力な説であるそうです。正直、曲がった玉の方が読んで字の如くのような気もします。

勾玉、その形の謎

あの丸いコロッとした、神秘的で不思議な形。一体どんな意味があるのか気になるところです。

実はこの形の由来、未だ定説はなく、形態が魚に似ていることから「魚形起源説」、頭が大きく、尾が小さいことから「胎児模倣説」、腎臓を取り出して乾燥させた色形に似せたとする
「腎臓模倣説」など種々雑多で、目で見た形に似せたとする説が多いようではあります。

勾玉の多くは、コの字型に湾曲しており、その膨らんだ部分に穴を開けて紐を通し、首飾りや耳飾り、腕輪などにしていたそうです。地域によって様々なものが出土しており、その素材はヒスイ、メノウ、水晶、滑石、琥珀、べっこうなど多岐に渡っています。関東では、先の尖ったような形のもの、出雲地方では先の丸いものが有名なようです。

古くは縄文時代、弥生時代、さらには古墳時代と、その時代によって勾玉の形態は変わっていきます。出土が多いのは、主に古墳時代のものになります。
多くは、コの字型に湾曲しており、その膨らんだ部分に穴を開けて紐を通し、首飾りや耳飾り、腕輪などにしていたそうです。地域によって様々なものが出土しており、その素材は翡翠、メノウ、水晶、滑石、琥珀、べっこうなど多岐に渡っています。関東では、先の尖ったような形のもの、出雲地方では先の丸いものが有名なようです。

昔の勾玉の作り方とは?

古代における勾玉の作り方とはどのようなものだったのでしょうか。
地域や時代によって作り方は様々なようですが、ここでは、群馬県高崎市下佐野町で見つかった勾玉作りの工房跡を元に、古墳時代の勾玉の作り方をご紹介します。

古墳時代の勾玉の作り方

まずは原石採取から

この下佐野の工房跡地から発掘された完成品、未完成品の多くが、蛇紋岩でした。
これは、火成岩の一種です。色みは青っぽく、比較的やわらかい石で磨くと青白く光沢が出ます。
古墳時代の勾玉作りによく使われた石でもあります。
この岩を人が持てるくらいの大きさに割って工房へ持ってきていたのでした。

荒削り(大体の大きさに割る)

運んできた蛇紋岩を、蛇紋岩より硬い石を使って周りを割っていきます。
これを「荒割り」と言います。割った石の中から勾玉作りに最適なサイズの石を選びます。
ここで選ばれたものを「荒削り品」と言います。この「荒削り品」の段階では、まだ勾玉の形であることは分かりません。

勾玉の形作り(形割り)

荒削り品をさらに硬い石や鉄製ののみを使い、細かく割り落としたり、粗い砥石で研いだりして「勾玉」の形を作っていきます。これを「形割り」と言います。
そして、形割りされたものを「形割り品」といいます。形割り品になると、どんな大きさや形の勾玉を作ろうとしているのかがはっきり分かるようになります。

研磨・穿孔から完成へ

形割り品を勾玉に仕上げるため、目の細かい砥石で丁寧に研いでいきます。これを「研磨」と言います。蛇紋岩はより丁寧に磨くことにより、青みがかったとても綺麗な石になります。
また、形割り品に鉄製や木製のきりを使って穴を開けていきます。これを「穿孔」と言います。
この「研磨」と「穿孔」をより綺麗な勾玉を作るため、少しづつ何度も慎重に繰り返して完成へと近づいていくのです。

こうしてみるとこの時代の人々が作り方にとてもこだわっていたことが良く分かります。
他にも弥生時代には鋳型を作り、そこに大陸からやってきたガラスを流し入れると言う作り方もあったようです。

簡単・勾玉の作り方

始めにご用意頂くもの

・ロウ石(Amazonや楽天、ホームセンターでも買えます)
 またはグリーンオニキスの文鎮や灰皿、コースター(100円ショップで売られています)
・紙やすり(形を整えるため)
・油性マジック(下絵を石に描くため)
・糸鋸 または 彫刻刀(下絵に沿って周りを大きくカットするため)
  *ロウ石なら彫刻刀でも良い
・ボール盤 または ルーター
・スチールたわし
・砥石

*糸鋸、彫刻刀、ボール盤等は非常に危険ですので、手元に十分注意して作業してください。
また、小さいお子様は必ず保護者の方と一緒に作ってください。

作り方の手順~実際に作ってみましょう~

作り方はとっても簡単!工程は5つです。説明をよく読んでから作業してくださいね。
下記の画像にふられた番号、左から右に従って作っていきます。

石に下絵を描きます

まず、石にマジックで下絵を描いていきます。不安な方は、先に鉛筆で薄く形を描いておいてから、マジックでなぞると安心かもしれません。自信のある方は、鉛筆だけで大丈夫です。

下絵に沿っておおまかな形に切ります

描いた下絵に沿って糸鋸、彫刻刀でおおまかに切っていきます。ロウ石ならやわらかいので、彫刻刀で削ってもOKです。
ただ、一つ気を付けて頂きたいことは非常にやわらかいため、必要以上に削ってしまう恐れがあります。削りすぎるとどんどん小さくなります。糸鋸は特に注意が必要です。
また、刃物ですから怪我などしないよう取り扱いには十分注意してください。

石に穴を開けます

おおまかに形を取れたら、ボール盤またはルーターを使って穴を開けていきます。
石を水に浸けながら行いましょう。まず始めに小さな穴を開けてからダイヤモンドツールを変更して穴を広げてください。始めから大きな穴を開けると欠けてしまう恐れがあります。

やすりで石の周りを削ります

ここからフチを丸くなるよう、細かく紙やすりで丁寧に削って形を整えていきます。この時、落としたり、衝撃を与えると割れてしまうので注意しながら削りましょう。大量の粉が出るので、新聞紙などを引いておくと後片付けが楽になります。
また、特に硬い石を削る場合には耐水ペーパーを使って、水研ぎしてください。

仕上げ

形を整え終わったら仕上げです。キズのついている部分を砥石や、水を含ませたスチールたわしで磨いて綺麗にしていきます。
その後やすりで細かいキズを整えます。アクリル製の毛糸や粗い布で擦ると艶が出てきます。
ぴかぴかになれば完成です。お好みで紐などでアクセサリーやストラップにしてみたり、クラフト染料やラインマーカーで色を付けてあなただけのオリジナル勾玉を作ってください。

さらに詳しい作り方を見たい方は、下記のサイトをご覧ください。

最後に

いかがでしたか?
始めはただの石だったものが、段々勾玉に変わっていく過程ややわらかいロウ石を削るのも中々面白いです。作り方もそんなに難しくなく、用意するものも、100円ショップやホームセンターで揃えられるものばかりですから、ぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。

また出雲型勾玉作りの体験ができるサイトもありますので、興味のある方はそちらもご覧ください。

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

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