【徹底比較】神社とお寺の違い、わかりやすく解説します!

日本人の生活や慣習に深く根付いた、神社とお寺。混合している部分もありますが、信仰神からお墓の違いなど、異なる点は多くあります。神社とお寺の違いを徹底解説します。

目次

  1. 神道と仏教 ー概要ー 
  2. 建造物について
  3. 信仰対象について
  4. お参り方法について
  5. 聖職者について
  6. お墓について
  7. 神仏習合とは?
  8. まとめ
  9. 終活の専門家に相談してみよう

神道と仏教 ー概要ー 

神社とお寺の違いを説明する前に、そもそも神道と仏教の概要についておさらいしてみます。

神道とは

神道は、古代から日本で信仰されている民族宗教です。

神道では八百万の神が信仰されており、田んぼの神、台所の神からトイレ(厠)の神、そして実在した人や、靖国神社のように不特定多数の魂までが神様になり得ます。

なぜこのように多くの対象が神となり得るのでしょうか。それは、「感謝」と「畏怖」の念の証といわれています。日本人は限られた島国で生きてきた農耕民族ですから、大洪水があっても地震で資産が無くなっても、その土地で生きていかなければなりません。より良い土地を求めて移動するという概念がないため、より自然環境に左右されるのです。そして「自分達はこの自然に生かされている」という認識が強くあったため、自然に関する八百万の対象を神様として信仰するようになったと考えられています。

仏教とは

仏教は、約2500年前に実在したシャカ(ゴータマ・シッダルタ)が開祖である宗教で、キリスト教・イスラム教とならぶ「世界三大宗教」の1つです。ただ、「開祖」「宗教」といっても、元々はシャカの自己探求の末に生み出されたひとつの「思想」に過ぎませんでした。その思想を、周りの人たちの悩みや苦しみを救うために広めていったのが始まりで、その思想は「初期仏教」と呼ばれます。

シャカの死後、仏教は解釈の相違から「大乗仏教」「上座部仏教」という2つの宗派へと分裂しました。中国・朝鮮・日本といった極東国に伝わったのは、「大乗仏教」で、日本に伝わってからは更に「日蓮宗」「浄土宗」「浄土真宗」「曹洞宗」などの細かい宗派に分かれていきました。

建造物について

神社:鳥居、参道、社殿

神社

神社は主に、鳥居と参道と社殿の3つで成り立っています。(山や大木、池自体がご神体になっている場所などでは必ずしもその3つが揃っていない場合もあります)

神社の入口には境内と俗界の境界を示す鳥居があり、鳥居の内の区域一帯を「神霊が鎮まる神域」とします。鳥居をくぐると社殿まで参道が通じています。参道の傍らに「身を清める」手水舎や神社を管理する社務所などがあり、大きな神社では神池や神橋もあります。

社殿は本殿(神殿)や拝殿からなっています。普段みなさんが参拝するのは拝殿で、神体がある本殿は拝殿の奥の方にあります。

神社の境内には、その神社に関係する神をまつる摂末社があり、境内の外にある摂末社は境外社と呼ばれます。

お寺:堂塔、僧房

お寺

お寺の建造物は、礼拝(らいはい)の対象を祀る「堂塔」と、悟りを目指す人たちが生活する場である「僧房」とにわかれています。

信仰対象について

神社:八百万の神

神道の概要でも述べた通り、神道では八百万の神を信仰します。自然のものには全て神が宿っているという考え方です。八百万(やおよろず)とは、数がとても多いことの例えです。山の神、田んぼの神、池の神、家の神、台所の神、米粒の神。また実在した人物も神とされることもあります。例えば菅原道真や、不特定多数の戦死者を祀ったりもします。このことから、神道では神と霊とは基本的に区別がないと考えられます。

お寺:釈迦、大日如来 など

もともとの仏教は、シャカ(ゴータマ・シッダルタ)の思想に過ぎませんでした。初期仏教といわれるその思想は主に4つあり、「苦」(人生は苦)、「無常」(全ては移り変わる)、「無我」(全ての存在や現象には実体はない)、「涅槃(ねはん)」(全ての執着心を断てば、苦悩に満ちた輪廻の世界から解放され、生存から脱することができる)です。

ここから派生した大乗仏教が日本に伝来しましたが、そこでは大日如来や阿弥陀仏といった永遠の仏の存在を説くようになりました。

お参り方法について

神社:二拝二拍手一拝

神道では、お賽銭を入れた後、二礼・二拍手・一礼する参拝方法が一般的です。神社への参拝は、「穢れを清める」という一種のお祓い方法と同意ですので、お金が欲しいなどの個人的なお願い事をするのはあまり筋が通ったものではありません。

仏教:合掌

お寺では、お賽銭を入れた後、合掌します。また、数珠を持つ、鐘をつく、護摩を焚く、お線香をあげるといった参拝方法もお寺独自のものです。

聖職者について

神社:神職(神主)、巫女

神職(神主)、巫女は、特定の神社に仕えて歳事や社務、祈祷などを行います。また一部の巫女が神主に仕えて神楽や舞を奉納することもあります。
神職は基本的に説教はしません。それは神道に教典が無いからですが、神道の歴史や一般的な道徳を説く神職は存在します。

宮司は神社の長を意味します。祭祀を主導するだけでなく、経営や管理も行います。 また、大きな神社では、宮司に仕える役として禰宜(ねぎ)、さらにそのサポート役として権禰宜(ごんねぎ)という役職があります。

巫女は神職ではありませんが、古代においては男性の神主より巫女の方が祭祀において重要な役割を果たしていました。神霊を表意させて託宣を得るのが巫女の役割であったため、感情の起伏が男性より激しい女性の方が神を降臨させる役目に向いていたからだと言われています。

お寺:僧(お坊さん)

僧は三宝の1つで、本来は、出家して仏教の戒律を守る集団のことです。男性は「比丘(びく)」、女性は「比丘尼(びくに)」と呼ばれます。

主な役割は教えを説くこと。また、葬儀のときにお経をあげたり、お寺や墓地の管理なども行っています。お寺に住んでいるのが住職で、教えを説くのが和尚と呼ばれます。

お墓について

神社

神道のお墓は、大きく分けて2通り見られます。

1つは仏教のお墓の形状とほぼ変わらないもの。もう1つは角柱で、縦長に削られた石の頭部が四角錐状になっているものです。四角錐の他にも四方から勾配をつけてなめらかな三角形になっているものもあります。

神道のお墓では、墓石には「○○家之奥都(津)城」と刻まれます。「おくつき」と読み、「~のお墓」という意味です。漢字によって意味は異なっており、「津」は一般の信徒の墓に、「都」は神官や氏子などに使われます。また戒名はつけません。霊名が用いられます。霊名は姓名の下に「之霊・命・命霊・霊位」をつけます。

また、神道はお線香をあげず、玉串を捧げます。香炉ではなく八足台が置かれます。そして仏花ではなく榊(さかき)をお供えし、水、洗米、塩、お神酒をお供え物として持参します。

礼拝は、二礼二拍手一礼ですが、地域によっては音を立てない忍び手(しのびて)の場合や、普通に音を立てて拍手する場合があります。

お寺

仏教のお墓は神道のものに比べ広く一般的であるのでここでは割愛しますが、流れは、「掃除」「お供え」「お線香」「合掌」となります。

神仏習合とは?

みなさんの中には、お寺の境内にひっそりと稲荷神社があるのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。仏教の領域に神道の祠。なぜなのでしょう。

平安時代初め、最澄が比叡山を開くときにそこに昔からの地主神として祀られていた「比叡の神」を、非常に丁重に扱ったと言われています。天台州の開祖である最澄がその開創に先立って比叡の神を祀ったという事実は、神仏習合を広く印象付けることとなりました。

神仏習合とは、古代から日本で信仰されている民族宗教である神道と仏教を混淆し、一つの信仰体系として再構成された宗教現象で、我が国独自の信仰です。

奈良時代初頭から国家レベルの神社の境内には神宮寺というお寺を建立する動きが出始めました。神宮寺では、神前で読経がなされるようになったのです。さらに寺院には神々をまつる神社が建てられるようになりました。このように、外来の宗教である仏教と日本古来の神道の神が、同じ敷地の中で仲良く暮らすようになったのですが、これは日本人には自然な流れであり、思想でした。

というのも、仏が伝来した時点では、仏は蕃神(となりのくにのかみ)として八百万の神のひとつのような位置づけだったからです。

しかし、明治新政府になると、神仏分離(しんぶつぶんり)をはっきり区別しなさいという神仏判然令が作られました。「王政復古」「祭政一致」の理想実現のため、神道を国教としいようとしたのです。このため、それまで自然と混合していた神社とお寺は引き離され、明治政府は神社の存在確立に努めようとしました。しかし、神道を国教化することは、宣教経験に乏しい神道関係者のみでは難しく、数年もしないうちに頓挫することとなりました。仏教界の協力無しには何も進まない現実があったのです。また、日光東照宮など、どうしても神社と寺院を切り離すことができない所もありました。

第二次世界大戦後には、神仏を一緒に祀るのも、各宗教施設の自由となりました。その結果、かつて神仏判然令で移転せざるを得なかった神を再び祀りなおしたり、また稲荷などを新たに祀る寺院も多くなったのです。

まとめ

神社とお寺の比較、いかがでしたでしょうか。神社もお寺も日本人の暮らしや文化にとけ込んでいますが、身近にあるからこそなかなかその意味などを改めて考えることは少なかったのではないでしょうか。しかしこのように両者の違いがはっきりすると今後のお参りなどはこれまでとは別の新たな意識を持って行うことができるかもしれませんね。

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