【考察】剣道の競技人口減少の原因について

古くから柔道と共に親しまれてきたスポーツである剣道。現在の剣道の日本国内の競技人口は柔道の競技人口の10倍にも及びますが、世界規模で見れば圧倒的に柔道の競技人口の方が多くなります。一体何故このような逆転現象が起きるのか、様々な観点から原因をまとめます。

目次

  1. 世界の剣道人口は柔道人口より少ない?
  2. 剣道のイメージと現実
  3. 剣道のプロ選手やオリンピック選手
  4. 剣道の良さとは?
  5. 競技人口増に必要な事とは?

世界の剣道人口は柔道人口より少ない?

困った人々

小学校の頃の習い事、中学校、高等学校の部活動等で経験する剣道、競技人口を調べてみると驚く結果が出てきます。似たような競技である柔道と比較してみると、柔道が16万人であるのに対して、剣道は177万人と10倍もの人口に及んでいます。大変人気なスポーツと思ってしまいますが、世界規模で見たところ、柔道は数百万人に及ぶのに対して、剣道は250万人と国内の競技人口と逆転する結果となります。何故このような人口が少ない結果になったのか、剣道というスポーツの現実を踏まえながらその原因について述べると共に、人口を増やすために剣道がどのようにあるべきかを考察していきます。

剣道のイメージと現実

剣道は中学校、高等学校の部活動や、学校では体育の授業の一環として取り入れられています。実際に体験した人ならわかると思いますが、剣道のイメージは決して良い物ではないと思います。

思いつくイメージとしては

・暑い
・臭い
・痛い
・お金が高い

この4拍子が揃っている事は誰もが簡単に思いつくかと思います。あの防具を見ていると、暑そう、臭そう、というのは誰もが思う事ですし、相手の竹刀が誤って防具以外の所に当たった時の痛さときたら、想像しただけでも痛いものです。

更に、部活動で剣道した人は、防具の値段の高さに驚くと思います。当時は防具の価格を聞いてもピンとこなかった物の、大人となった今であればその値段に驚くし、そこまでして剣道をしたいかというと、正直疑問に思う人がほとんどだと思います。これだけのイメージと現実を考えれば、剣道の競技人口が少なくなっていっているのは不思議ではないように思います。

剣道のプロ選手やオリンピック選手

もしかしたら知らない人もいるかもしれませんが、実は剣道にはプロ選手もオリンピック選手もいません。特に柔道はオリンピック競技として認められている事は有名ですが、そもそも剣道は競技として認められてもいません。

何故認められないのか、各オリンピック種目の競技模様と剣道の試合模様を思い返してみて下さい。例えば柔道。柔道で選手が優勝した時、選手はどのような顔色をするでしょうか。きっと、ガッツポーズをしたり、満面の笑みを浮かべて喜んだりすると思います。もちろん、何もおかしい事はありません。どんなスポーツでも当たり前でしょう。しかし、剣道だけは例外です。

剣道の経験者でなければわからない事ですが、剣道は試合に礼儀作法は必須の競技です。柔道でも作法はあるが、剣道のそれは柔道よりも厳しいです。例え、試合に勝っても最後まで礼節を弁えて、勝者も敗者も最後の最後まで作法通りに事を進めなくてはなりません。ガッツポーズなんてしてしまえば、審判に何と言われるか・・・。

以上から考えれば、オリンピックはスポーツの祭典と呼ばれますが、剣道はその祭典にはふさわしくないと思う人がいてもおかしくはないのです。よってオリンピック競技としては相応しくはなく、プロの競技として認めるか認めないのかで協議が難航しているようです。だから有名選手も出てこないし、世の中でもスポーツとして認知度が低いものと考えられます。

認知度が低く、強いプロの選手がいなければ憧れの選手も出来ません。憧れからスポーツをやり始める子供世代にとって、剣道は中々取っつきにくいスポーツとなっていると言えるでしょう。

剣道の良さとは?

今まで人口が減る要因として悪い所ばかりを述べてきましたが、逆に剣道の良い所とは何でしょうか。

剣道もスポーツである以上は、勝敗があります。もちろん勝敗を決するという所は大事になってくるポイントではありますが、実際、剣道をやっていて学ぶ事、得られる事というのはそれだけではありません。世の中に様々なスポーツがありふれている中、剣道だけは決定的に他とは違う物があります。それは礼儀作法です。礼儀に関しては剣道はとにかく厳しいです。

例えば、剣道では空手のように型を取る事があります。その場合は竹刀ではなく木刀を使用します。この木刀1本も正座をする際には置き方が決まっている事は御存知でしょうか。木刀は自分から見て右側に置いて、刃の部分は自分の方を向けて置かなければなりません。ここまで言えば気付く人もいるかもしれませんが、木刀を右側に置く事と刃を自分に向ける、というのは相手に対して攻撃しない、敵対の意思は無いという事を示しています。右側に置いては、刀をすぐに抜く事が出来ませんし、刃を相手に向けないという事は、相手が傷つく事がないからです。

この木刀の置き方一つにしても相手を敬う事、相手への気遣い等を学べると考えられます。他のスポーツでは中々このような作法や相手を気遣うという精神は学べません。ただひたすらに勝利へ向かう事を求められるスポーツが多い中、競技を通して生きていく中で必要である事を学べる事は貴重なスポーツである証です。

競技人口増に必要な事とは?

人々

当然ですが、剣道の良さを認知してもらう事が最善です。

勝ち負けに拘る事を前面に推し出すのではなく、相手へ礼儀を尽くす事を学べるスポーツである事をもっと伝えていく必要があります。今後、指導者の皆さんには技術と礼節を弁える事を伝えるはもちろん、その価値観を理解してもらえるな指導力が求められます。

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