奈良の五重塔は興福寺だけじゃない!高さや歴史を比較して紹介

奈良のイメージとしてよく描かれる五重塔は、奈良公園にある興福寺のものです。しかし、五重塔がある奈良の寺は実は他にもあります。奈良県内にある国宝指定の五重塔は個性豊かです。大きさや歴史を比較して紹介します!

目次

  1. 奈良の五重塔といえば興福寺!
  2. 興福寺の他にもある奈良の五重塔
  3. 奈良の五重塔の高さを比較
  4. 奈良の五重塔の歴史を比較
  5. 奈良の五重塔のまとめ

奈良の五重塔といえば興福寺!

奈良

今は阿修羅像の方が有名になってしまった感じがありますが、奈良の五重塔といえば興福寺ですよね。興福寺の阿修羅像が奈良を代表する仏像なら、興福寺の五重塔も奈良を代表する建築物といえるでしょう。
特に、通りをはさんだ猿沢池に影を落とす五重塔の姿は美しく、猿沢池は五重塔の絶好の撮影スポットとして知られています。このアングルは奈良のガイドブックの目立つ位置によく使われます。
しかし、奈良には見事な五重塔を持つ寺院が他にもあります。国宝指定されているものだけでもあと4つです。この記事では、これら奈良県の五重塔の高さや歴史などを比較して紹介したいと思います。

興福寺の他にもある奈良の五重塔

興福寺の五重塔に知名度は及びませんが、他にも個性豊かな五重塔があります。奈良県内の五重塔で国宝指定されているものを紹介します。

法隆寺

聖徳太子が創建した寺で、世界最古の木造建築としても有名な法隆寺。一度火災で焼失して建て直されたことがわかっていますが、それでも飛鳥時代の建物です。

室生(むろう)寺

「女人高野」といわれる室生寺の五重塔は、屋外に建つ五重塔としては日本最小のものです。室生寺は花や紅葉の名所としても知られ、五重塔が美しい自然の風景に映えます。

元興(がんこう)寺

奈良公園の南に位置する注目の観光エリア奈良町にあります。元興寺の五重塔は建造物として国宝指定されているものの、正式には「五重小塔」といい、屋内にある小さな五重塔です。

海龍王寺

平城宮跡の近く、法華寺のそばにある寺です。元興寺のものと同様、屋内に置かれた五重小塔ですが、建造物としての国宝指定を受けています。

奈良の五重塔の高さを比較

紹介した奈良県の五重塔の高さを比較してみましょう。高いほうから順番に紹介します。

興福寺

約50.1m
近世以前に造られた五重塔としては、京都の東寺の五重塔が国内で最も高い約55mです。興福寺の五重塔はそれに次ぐ2番目の高さを誇っています。

法隆寺

約31.5m

室生寺

約16.1m
屋外にある五重塔としては、国内最小です。

元興寺

約5.5m
寺伝では、江戸時代に焼失するまで70mを超える大きな五重塔があったとのことです。残っていれば、東寺を超える日本最大の五重塔になったでしょう。

海龍王寺

約4m

奈良の五重塔の歴史を比較

有名な五重塔を持つ寺院の歴史と、五重塔の建築年代を見てみましょう。五重塔の建築年代が古い方から順番に紹介します。

法隆寺

法隆寺の五重塔は飛鳥時代のものです。
聖徳太子により7世紀初頭に創建されましたが、その後火災で一度焼失し、7世紀末から8世紀初頭にかけて再建されたものが現存する最古の建物です。それでも五重塔を含む西院伽藍の一部は世界最古の木造建築物で、五重塔も世界最古の木造五重塔です。
世界遺産・法隆寺地域の仏教建造物を構成しています。

海龍王寺

天平時代のもので、薬師寺の東塔(三重塔)と様式が似ています。天平時代の五重塔は大きなものが残っておらず、また、間近で鑑賞することを前提として屋内に設置したことから小さくても精巧に作られていて、天平建築を伝える貴重な文化財です。
海龍王寺は、父・藤原不比等から邸宅を相続した光明皇后が敷地内に創建し、唐から帰国した玄昉が初代住持となったと伝わっています。邸宅という限られたスペースに伽藍を再現するため、約4mという小さな五重塔になったようです。

元興寺

元興寺の五重塔は海龍王寺のものと同じく光明皇后の発願によって造られ、時代は少しだけ新しいようです。内部構造が省略された海龍王寺の五重塔と比べて内部構造が詳しいため、当時の建築を知る手がかりとして重要です。
元興寺の歴史は少し複雑です。平城京遷都に伴い、飛鳥にある法興寺(今の飛鳥寺)を廃せずに移したのが始まりで、東大寺や興福寺と並ぶ大寺院でした。しかし、その後は衰退と再興を繰り返し、弘法大師と聖徳太子を信仰する民間信仰の寺になりました。
世界遺産・古都奈良の文化財を構成しています。

室生寺

五重塔は800年頃に造られたもので、屋外のものとしては法隆寺に次ぐ歴史を持ちます。
室生寺の創建は奈良時代の末期、山部親王(のちの桓武天皇)の病気平癒に霊験が現れたことによります。当初は興福寺の影響下にありましたが、龍神信仰や密教色を強めます。女人禁制の高野山に対して、女人高野と呼ばれるようになりました。

興福寺

意外かもしれませんが、興福寺の五重塔は紹介する中ではかなり新しいものです。とはいっても、室町時代のものになります。
興福寺の始まりは、中臣(藤原)鎌足の時代に山背国に山階(やましな)寺を建てたことです。遷都に伴い藤原京を経て、子・藤原不比等が平城京に移して興福寺としました。摂関家として権勢を誇った藤原北家を象徴するように、興福寺も藤原氏の氏寺として栄えました。
しかし、度重なる火災や兵火を受けて伽藍が何度も失われます。五重塔も例外ではなかったということです。こうした歴史から、創建当時の奈良風の要素と室町らしい要素を併せ持っています。
世界遺産・古都奈良の文化財を構成しています。

奈良の五重塔のまとめ

いかがでしたか?
興福寺の五重塔も素敵ですが、他の五重塔も訪ねてみてくださいね。特に、元興寺や海龍王寺の小塔は新鮮な気持ちで鑑賞できると思いますし、元興寺は興福寺から歩いて行ける距離です。
ぜひ、奈良の五重塔を巡ってお気に入りを見つけてください。

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