百人一首の秋の歌を紹介!秋を歌う和歌が多いのはなぜ?

子どもの頃、学校の課題で百人一首を覚えた方も多いのではないでしょうか?大人になって再び触れると違った魅力に気付かされます。百人一首には美しい秋の光景を詠んだ歌が多いですね。今回は、秋に注目して百人一首を紹介します!

目次

  1. 百人一首に秋の歌が多い理由
  2. 百人一首の部立
  3. 百人一首に見る秋の光景【鹿・紅葉・夕暮れ】
  4. 百人一首に見る秋の恋
  5. 百人一首の秋の歌のまとめ
  6. 終活の専門家に相談してみよう

百人一首に秋の歌が多い理由

百人一首の和歌を眺めていると、秋を詠んだ歌が多いことに気付くと思います。最初の天智天皇の和歌からして「秋の田の」で始まるし、おそらく百人一首で最も有名な在原業平の和歌も秋を詠んだものです。
ところで、百人一首に秋の歌が多い理由はどこにあるのでしょうか?

もみじ

その理由は、百人一首の成り立ちを考えればわかるかもしれません。百人一首のベースは「百人秀歌」というもので、嵯峨の貴族・宇都宮頼綱の邸宅の襖を飾る色紙だったことが知られています。嵯峨といえば、今も紅葉の名所ですよね。
そして、百人一首を選んだのは藤原定家です。百人一首を編纂した時雨亭(しぐれてい)の位置は厭離庵(えんりあん)・二尊院・常寂光寺などの説があって定まりませんが、いずれも小倉山の麓・嵯峨にあります。
こうした好みが選んだ歌に反映されているのも理由の1つでしょう。しかし、実は、秋が好きなのは個人の好みの話だけでもないんです。
おそらく私たち現代人も、過ごしやすい秋が好きな人が多いでしょう。実りの秋で食べ物も美味しいですし、秋の夜長の余暇活動も捗ります。紅葉が美しく、月が綺麗で、どこかもの悲しい、そんな秋を昔の人々も愛しました。その結果、百人一首に限らず、和歌集に入選している歌には秋を題材にしたものが圧倒的に多いんです。
今回は、そんな百人一首の秋の和歌に注目したいと思います。

百人一首の部立

和歌のジャンルを部立といいます。百人一首を部立で分けると恋が43首、季節の歌が32首あります。季節の歌の内訳は、秋が16首、春と冬が6首ずつ、夏が4首です。しばしば秋がいいか春がいいか論争になりますが、百人一首においては秋が圧倒しています。
それでも恋の43首には遠く及ばないのですが、恋の歌を見て見ると秋のもの悲しい風景と絡めた切ない歌もちらほらあります。そうしたものを含めると秋の歌はもっと多くなります。

三日月

百人一首に見る秋の光景【鹿・紅葉・夕暮れ】

では、具体的に百人一首の秋の和歌と意味を見ていきましょう。
秋の部立に分類される歌から、特に有名な3首を紹介します。

5.猿丸大夫

和歌

奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき

意味

奥山で、散った紅葉の葉を踏み分けながら鳴いている鹿の声を聞くときこそ、秋はもの悲しいと感じる

解説

百人一首では猿丸大夫の作ということになっていますが、実は、この猿丸太夫、三十六歌仙の1人で、家集もあるのに、真作といえる歌はないんです。この「奥山に」の歌も、古今集では「よみ人知らず」になっています。
百人一首は、飛鳥時代から鎌倉時代までの約600年間の間に詠まれた和歌から、秀作を1人1首ずつ選んだもので、時代が古い作者、身分の低い作者の作品はこのように、本当にその人が詠んだのか、あるいは確実にその人が実在していたのかさえあやふやなケースもあります。
藤原定家がそれを知らなかったとは思えないので、そういう作品の確かさより、芸術性を重んじたのではないかといわれています。

17.在原業平朝臣

和歌

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 唐紅(からくれなゐ)に 水くくるとは

意味

神様の時代にも、龍田川が水を鮮やかな赤に染め上げるとは聞いたことがない

鹿

解説

百人一首の中でも特に有名な和歌ですよね。奈良の龍田のあたりは紅葉の名所として昔から名高かったようです。陰陽五行説では西の方角を秋と結びつけたため、龍田の地名は秋の女神・龍田姫の名前にもなっています。
この和歌は学生時代、和歌の修辞法を習うのにやたらと出てきたような気がします。作者・在原業平は技巧的な和歌を多く残していて、『伊勢物語』の主人公のモデルとしても有名です。

87.寂蓮法師

和歌

村雨の 露もまだ干(ひ)ぬ 真木の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ

意味

にわか雨の露もまだ乾かない常緑樹の葉に、また霧が立ち上っていく秋の夕暮れ

解説

夕立の余韻がまだ残っているのに加えて霧が立ち込める、湿度のある秋の情景が浮かびます。敢えて紅葉を外すところがまた風流です。
新古今集に「三夕(さんせき)の歌」と呼ばれる「秋の夕暮れ」で終わる3つの和歌があり、こちらがその内の1首です。他2首は西行と藤原定家のもので、この2人は別の和歌が百人一首に入っています。この頃は3首だけにとどまらず、「秋の夕暮れ」で終わる和歌が流行り、和歌の暗記の宿題に苦しんだ方もいるのではないでしょうか?
寂蓮は血縁上は定家の従兄弟で、出家する前は才能を買われて定家の父・俊成の養子になっていた人物です。完成前に亡くなりますが、新古今集の編纂にも関わっていました。

百人一首に見る秋の恋

秋の夜長に一人で過ごす寂しさを詠んだ2首を紹介します。

3.柿本人麿

和歌

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかもねむ

意味

山鳥の長くたれた尾のように長い夜を、独りで寝て過ごすのだなあ

解説

長い枕詞・序言葉と、反復される「の」が印象に残る和歌です。
作者・柿本人麿は万葉集を代表する歌人として知られていますが、どういう人物かはよくわかっていません。この歌も人麿の作かどうか定かでないようです。

91.後京極摂政前太政大臣(藤原良経)

和歌

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかも寝む

意味

こおろぎが鳴く霜の降る寒い夜の筵の上で、着物を片方だけ敷いて独りで寝て過ごすのだなあ

解説

部立は秋ですが、上記柿本人麿の歌ともう1首古今集の歌を本歌取りした恋を詠んだ作品です。この歌を詠んだ当時、作者・藤原良経は妻に先立たれたばかりでした。

百人一首の秋の歌のまとめ

紅葉

いかがでしたか?
秋の美しくももの悲しい雰囲気は、風流な和歌によく似合います。情景の浮かぶ歌が多いですね。

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