仏像彫刻を新しい趣味にしてはいかがでしょう

趣味として、仏像の彫刻をなさりたいと思われている方々。そんな方々へ歴史上の仏師とその仏像のつくりをほんの少し紐解き、仏像彫刻へのアプローチをお伝えします。仏像彫刻は自分を磨き高める素晴らしい趣味になるでしょう。

目次

  1. 現代も心打つ名仏師たちの仏像
  2. 仏像彫刻のつくりいろいろ
  3. 趣味の仏像彫刻を始める手段はいろいろ
  4. 仏像彫刻のための材木と道具選び
  5. 豊かな趣味を

現代も心打つ名仏師たちの仏像

仏像

日本の数ある仏像を製作した仏師たち。その仏師の生きた時代で仏像の姿形もさまざまです。ここでは有名な仏師とその彫刻を紹介します。

止利仏師(とりぶっし)

日本に仏教を伝えたとされる渡来人の祖父をもつこの飛鳥時代の仏師は、仏教一家で育ったエリート。日本の仏像つくりの基礎を作ったパイオニアです。法隆寺の釈迦如来三尊像は国宝です。こちらは木像ではなく銅像です。止利仏師の時代は銅像が主流でした。

定朝(じょうちょう)

定朝の仏像は、その時代の他の仏像とはちがう穏やかな面立ちでそれが人気となりました。
平安時代後期に仏像を安置する空間全体をプロデュースするような仕事もしました。国宝京都の宇治平等院の阿弥陀如来坐像は有名です。楽器をもった天女たちが舞う空間におわします。

運慶(うんけい)

大有名な仏師です。鎌倉時代という武士の時代に似つかわしい力強い仏像を製作しました。
東大寺南大門の仁王像など有名像はたくさんあります。

快慶(かいけい)

運慶と同時代の同派の仏師です。同派とは言っても運慶とは違い、快慶の仏像は左右対称で繊細な美しさを持っています。兵庫県小野市の浄土寺の阿弥陀如来立像は国宝。その美しさが際立つのが夕日の時間帯なんだそうです。

円空と木喰(えんくうともくじき)

円空は江戸時代初期の仏師。木喰は江戸時代中期の仏師です。生きた時代は違いますが2人とも諸国遊行しながら訪ねた地で仏を彫り残しています。こういう仏師を造仏聖というそうです。
円空は12万体の仏を彫り残しています。木喰の仏様はみなにっこりとしており微笑仏と呼ばれています。彼らの仏像に共通なのは様式にこだわらない自然の木の風合いが残る仏様たちです。

仏像彫刻のつくりいろいろ

ここでは簡単に木像のつくりについてご説明しましょう。仏像の作られ方や使われる木材の変遷を見ると、当時の人々の生活までをも感じられるようです。

一木造(いちぼくづくり)

一つの木材で彫られている像の事です。ただ、これは像の芯がひとつの木材でできていれば、手と足が別の木材でできていても一木造と呼ばれます。

寄木造(よせぎづくり)

文字通りいくつかの木材から各パーツが作られていて、それを組み合わせた像の事です。

寄木造の利点

一木造は同体をまるまる取り出せる大きな材木が必要となります。材料の調達、そして、それを運ぶことは大変な労力です。寄木造であれば、たとえば一木造の製作過程でけずられた不要な部分の木材でも、それらを仏像の各パーツへと使うことができます。

また、仏像は重量を軽くするために中をくりぬく工程(内刳 うちぐり)があるのですが、一木造は像の背中側から少しずつ彫りだします。その点でも寄木造は各パーツごとに中をくりぬけばいいので、仏師たちの作業もだいぶ楽になったでしょう。

材料の調達にも飛鳥時代から平安時代にかけて変化がありました。飛鳥時代は硬い広葉樹のクスがおもな材料でした。平安時代に入ると針葉樹のカヤ、そして、ヒノキが使われるようになりました。
ヒノキは柔らかく、そしてまた、まっすぐに割ることができ、扱いやすい木材でした。ヒノキが当時の人々の生活のなかで重宝されていき、流通経済にのったことで仏師たちにも手に入れやすい材木となっていったことで、寄木造が人気となっていきました。

表面の仕上げ

彫りだされた仏像は彩色が施されたり金箔がはられたりしました。長い歴史の中で、いまでこそ退色している仏像たちもかつては色鮮やかに輝いていました。

漆箔仕上げ

表面に布をはり木目のデコボコを吸収させなめらかにします。そこに錆漆(さびうるし)という下地を塗布し、表面をさらに滑らかにします。さらに、その上に黒漆を塗ります。この後は塗りと磨きの繰り返しです。そうして、ようやく艶のある表面になり、この滑らかになった表面に金箔をはりつけていきます。

彩色仕上げ

漆箔仕上げの作業工程の途中までと同じです。黒漆の塗り磨きを繰り返し、なめらかになった表面に白い下地を塗ります。この上に岩絵具で彩色をしていきます。岩絵具は日本画でも使われているものでいろいろな鉱石をくだいたもの。これを膠(にかわ)と混ぜて使います。岩絵具は粒子の大きさによって光の反射具合に変化がでて、独特の雰囲気を醸し出します。

金泥塗

金粉と膠を混ぜたものを塗ります。こちらは金箔よりも落ち着いた金の輝きになります。

仏像は祈り

大別すると以上のようになります。仏像は信仰における祈りや願いを向ける対象です。空洞の仏像の中には様々なものが納められています。写経。小さな仏像。出家した方の髪。仏師の名前など。たくさんの想いが込められているのでしょう。そんな一方で、仏像にはアイドル的な面もあったのではないでしょうか。アイドルには輝いていてもらいたいですから、ピカピカに輝かせたり鮮やかに彩色したのかもしれません。

趣味の仏像彫刻を始める手段はいろいろ

ここまで、歴史上の仏師の紹介と仏像製作の流れを説明してきました。趣味も多様化している昨今、仏像一つでも趣味は多岐にわたります。彫刻、鑑賞、歴史、写真などなど。趣味で仏像を製作してみたいと思われている方にむけてここでは、仏像製作の入門キットの販売や趣味として始める初心者向けの仏像製作教室を紹介します。

アプローチ

通信教育

○カルチャーセンター
○寺社の文化活動としての教室
○現役仏師が教授する教室
などがあります。

どの教室も月に2~3回の開催。まずは小刀や彫刻刀の使い方に慣れるところから始まるようです。入会金はだいたい5000円くらいが相場。
月謝は各教室で10000円~25000円くらいと幅があります。
教材費は別途必要です。

以下はいくつかピックアップした各教室のリンク先です。

他にも自治体主催の文化教室や、地元のカルチャーセンターなどご自身の通いやすい場所で探してごらんになるといいと思います。
上に紹介した教室の中には遠方の方向けの通信教育をおこなっているところもあります。

通信教育

教室によって受講期間や費用面に違いがあります。

彫刻キット

仏像彫刻キットは一般的なインターネットの通信販売でも扱っているようです。
アマゾン、楽天などです。以下のリンク先の工房では製作手順の動画を配信しており
キットの用意もあるようです。

仏像彫刻のための材木と道具選び

では実際に仏像を彫るとなったら、どんな木材、道具をそろえればいいのでしょう。

材料とする木材の種類

材木の種類は様々です。入手しやすく扱いやすい木材を紹介します。

木曾ヒノキ

収縮が少なく耐久性も優れています。香りや艶がよく人気です。ただ少々値がはります。

クスノキ

一木造りに適した材木です。木の収縮が大きいのでよく乾燥させることが大事です。

木曾松

安く入手できるので練習用に向いています。

彫刻刀の種類

彫る材料が決まったら今度は彫刻刀です。彫りだしたい形を出すためにいろいろな彫刻刀があります。

印刀

よく使う刃物です。少し広い面を削るとき、刃先での細かい作業にも使います。

丸刀

刃の断面が丸くいろいろな溝を彫るのに適しています。衣のひだ、お顔など。

平刀

面を平らにしたいときに適しています。刃の表裏とも使えます。

浅丸刀

丸刀より刃先がゆるやかな丸さの刀です。大きく削りたいときに。

三角刀

文字通り刃先が鋭角な刀です。細かい模様を彫りだすのに適しています。

地紋彫り

教室ではいきなり仏像を彫り始めるのではなく、彫刻刀の扱いに慣れるためまずは地紋彫りから入るでしょう。地紋彫りとは木の板に幾何学的な文様を彫りこんでいくものです。刃の扱いに慣れ、木目を読む感覚を養うための基礎です。

豊かな趣味を

彫刻

ここまでいかがでしたでしょうか。実際に趣味として彫刻をはじめたら難しいことや不慣れなことに向き合うこともあるかもしれません。ですが、またそれも仏像を彫るという、どのような趣味もいわば自身の内面を見つめるような作業の一環なのかもしれません。

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