専門家の選び方|相続に関する相談先と相談すべき内容を解説

専門家の選び方|相続に関する相談先と相談すべき内容を解説

相続の手続きは複雑でわかりづらいため専門家の力を借りることも多くなります。ですが、専門家と一言に行っても様々な種類があり、どこに相談すれば良いのか迷うこともあるのではないでしょうか。今回はそんな相続の専門家について、それぞれの特徴や違いなどを解説していきます。

2019-11-12

相続問題における専門家の選び方

大切な親族が亡くなったとき、悲しみに暮れながらも進めなければならないのが相続の手続です。

自分が亡くなった後に親族が困らないように、できるだけのことはしておこうと思われている方も多いことでしょう。

しかし、相続の問題は複雑で分かりにくいうえに、手続の面でもいろいろ細かい決まりがあって大変です。
また、相続とひと口で言っても問題となる点はケースごとに異なります。

そんな相続の問題を専門家に相談しようと思ってもさまざまな専門家がいるため、どの専門家に相談すれば自分の問題を解決できるのか、なかなか分からないことも多いのではないでしょうか?

この記事では、相続の相談を受け付けている専門家にはどのような種類があってそれぞれどう違うのか、ご自分の悩みをどの専門家に相談すれば無事解決できるのかについて解説します。

どこに相談すれば良いのか分からないとお悩みの方は、ぜひご覧ください。

専門家の種類は大きく分けて4つ

相続の相談を受け付けている専門家には、大きく分けて以下の4種類があります。

  • 士業

  • 相続コンサルタント、相続コーディネーター等

  • 銀行

  • 役所など公的機関

この4種類の専門家はそれぞれ役割が大きく異なるので、相談すべき内容も異なります。

実際にはどこに相談しても行き着く先は同じところになることも多いのですが、それだけに入り口を間違えると時間と費用が余計にかかってしまう恐れがあります。

以下、それぞれの役割やどんな問題を取り扱っているのかをご説明し、いろいろな相続問題についてどの専門家を入り口とするのが最適なのかを明らかにしていきます。

士業は専門分野のエキスパート

相続の問題を取り扱っている士業としては、弁護士・税理士・司法書士・行政書士がいます。

これらの士業の特徴は、それぞれの専門分野におけるエキスパートであるということです。
複雑な手続も依頼すれば代行してくれるというメリットもあります。

それでは、それぞれどのような特徴があるのでしょうか
個別にみていきましょう。

弁護士

弁護士は法律全般のエキスパートです。
相続に関しても、どんな問題でも相談することができます。

ただし、弁護士だからといってあらゆる相続問題に精通しているかというと、現実にはそういうわけでもありません。
相続税の問題や不動産の登記に関することまで専門的に取り扱っている弁護士は少ないのが現状です。

相続の問題は税理士に、不動産登記の問題は司法書士に相談した方が適切な回答が得られる可能性が高いです。

弁護士の最大の特徴は、依頼者の代理人となって相続に関するトラブルを法的に解決することができるということです。
遺産分割協議の代行や、調停・審判・訴訟などの手続を代行することは弁護士にしかできません。
したがって、相続に関して争いごとを抱えている方の相談先は弁護士のみになります。

なお、弁護士には紛争解決以外にも遺言書の作成、相続放棄や限定承認、遺留分侵害額請求、成年後見、家族信託、事業承継その他幅広く相談することができますが、依頼する場合は他の士業よりも費用が高額になりがちです。

ただ、幅広い知識を持っているので、個別の問題に対してどこに相談に行けばより適切なのかを教えてもらえることもあります。
そのため、どこに相談すれば良いのか分からない場合の入り口として弁護士に相談するのも間違いではありません。

税理士

税理は税金の問題に関するエキスパートです。

弁護士も相続税の基本的な知識は持っていますが、相続税にはいろいろな非課税措置や減免制度があり、しかも税制は随時改正されるため、税金問題を専門的に取り扱っていないと十分な知識を持ち合わせていない場合があります。

また、相続には相続税だけでなく贈与税など他の税金問題が絡むこともあります。
税金のことに関して一番正確で幅広い知識を持っているのは税理士です。
そのため、相続税など税金に関する悩みをお持ちであれば税理士に相談すべきです。

税理士は節税に関する知識も豊富に持っているので、節税対策のアドバイスをしてもらえることも税理士に相談するメリットです。

ただし、税理士といえども相続を専門的に扱っている税理士はそれほど多くありません
相続に強い税理士をインターネットで探してみたり、いくつかの事務所で相談を受けたりして信頼できる税理士を探してみましょう。

弁護士の場合は基本的には法律相談は有料ですが、税理士は相談だけなら料金を取らないことも多いので、納得できるまでいろいろな税理士に相談してみるのも良いでしょう。

司法書士

司法書士は登記に関するエキスパートです。

遺産の中に不動産があり、他には特にトラブルもなくて登記手続だけを依頼したい場合は司法書士に相談するのが最適です。

司法書士の業務は登記だけでなく、他にも法律関係の業務をいろいろやっていて、相続問題全般の知識も持っています。
ですので、どこに相談すれば良いのか分からない人が入り口として司法書士に相談するのも間違いではありません。

なかには相続の問題を専門的に取り扱っている司法書士もいて、相続に関する手続全般をサポートしてくれる場合もあります。

ただし、依頼者の代理人となって相続に関するトラブルを解決したり、家庭裁判所の手続を代理したりできるのは弁護士だけであり、司法書士にはできません。

トラブルがある場合は弁護士、相続税がかかりそうなら税理士、その他特にトラブルがなければ司法書士への相談が適していると一応は言うことができます。

行政書士

行政書士は役所などに提出する書類を作成するエキスパートです。

行政書士のなかにも司法書士の場合と同じように相続の問題を専門的に取扱い、相続に関する手続全般をサポートしている場合があります。

司法書士との違いは登記手続の依頼を受けることができないことで、弁護士との違いは司法書士と同じく依頼者の代理人となって相続に関するトラブルを解決したり、家庭裁判所の手続を代理したりすることができないことです。

行政書士の場合は他の士業よりも安価な料金を設定している場合が多いですが、料金設定は行政書士の中でもまちまちなので、一概に安いとも言えません。

また、行政書士だからといって弁護士や司法書士よりも信頼度が低いというわけでもありません。

相続の問題を専門的には取り扱っていない弁護士や司法書士よりも、専門的かつ積極的に取り組んでいる行政書士の方が相続の問題に関しては知識も正確で能力も高いという場合もあります。

特にトラブルがなく、登記の問題もないという場合は行政書士に相談してみるのも良いかもしれません。

相続コンサルタント、相続コーディネーター等

「相続コンサルタント」や「相続コーディネーター」等を名乗って相続問題の相談を受け付け、相続手続のサポートを提供している民間の業者がたくさんあります。

普通の株式会社だけでなく、一般社団法人や公益財団法人、NPO法人などさまざまな機関が相続に関する事業を手がけています。

不動産業者が運営しているケース

その中でも多いのは、不動産業者が運営しているケースです。
相続財産の中に不動産が含まれているケースは多いので、不動産業者が商売の一環として不動産の相続で悩んでいる人を対象にサービスを提供しているケースが多いと考えられます。

不動産は相続税の計算で大きなウェイトを占めるため、不動産業者の中には相続税に詳しい業者もいます。
そういった業者は節税対策のアドバイスもしてくれますし、相続後の不動産の有効活用についてもアドバイスしてくれます。

相続不動産の売却に関しては不動産業者がエキスパートです。
したがって、自分で使う予定のない不動産を相続し、その処分や活用法について悩んでいる場合は不動産業者が運営している相続コンサルティングを受けるのも良いです。

また、被相続人の生前にも不動産を活用した相続税の節税対策としてできることがいろいろあるので、不動産業者に相談してみるのも良いでしょう。

不動産業者は士業と違って不動産とお金に関するノウハウにも長けているので、不動産の有効活用や不動産絡みの節税対策を知りたい人には不動産業者が運営している相続コンサルティングに相談するのが適しています。

証券会社が運営しているケース

相続コンサルティングを運営している業者として不動産業者の次に多いのが証券会社です。

相続財産の中に株式・債券・投資信託などの有価証券が含まれているケースも少なくありません。
これらの有価証券は不動産ほどではないにせよ、それなりに大きな資産価値となっている場合も多くあります。

有価証券を所有していた被相続人は運用に詳しかったとしても、それを相続した人は有価証券の運用について何も知らないというケースが少なくありません。

そんな相続人をサポートするためのサービスとして証券会社が相続コンサルティングを提供しているものと考えられます。

有価証券を相続してしまったもののどうすればいいのか分からないという人は、やみくもに取引に手を出したりせずに、証券会社が運営している相続コンサルティングに相談するのが無難かもしれません。

どの業者を利用しても行き着く先は同じ

不動産業者や証券会社の他にもさまざまな業者が専門性を活かしつつ相続コンサルティングを提供していますが、実はどの業者を利用しても行き着く先は同じになります。

不動産登記は司法書士が行うことになりますし、相続税の申告は税理士が行うことになります。
相続に関するトラブルを抱えている場合は弁護士を紹介されることになります。

そのため、どんな手続が自分に必要なのかが分かっているのであれば、最初から必要な範囲で士業に相談した方が早いということになります。

民間業者の相続コンサルティングはビジネスマナーも含めて気持ちよくサービスを提供してくれるかもしれませんが、コンサルティングやコーディネートに余計な費用がかかってしまうのも問題です。

また、そもそも民間業者が運営する相続コンサルティングや相続コーディネートは、各業者の専門性を活かして行っているものですから、どこに相談すれば良いのか分からない人の入り口としては適していない可能性が高いのです。

業者のホームページなどの広告をよく見ればどんな人を対象としているのかが書かれているはずなので、民間業者が運営する相続コンサルティング等に相談したいと思う場合は自分が抱えている問題を解決するために適した業者かどうかを判断することが大切です。

銀行

銀行も相続に関する相談を受け付け、相続手続全般をサポートするサービスを提供しているところが多くなっています。

しかし、銀行が提供するこういったサービスも、基本的には上で述べた民間業者が運営する相続コンサルティング等と同様に考えることができます。

つまり、銀行としては相続財産に必ずと言っていいほど含まれている現金や預貯金を自行に預けてもらい、運用してもらうことを期待してサービスを提供しているのです。

最終的には弁護士や司法書士、税理士などの士業が手続を行うことになり、銀行という窓口を通すことで余計な費用がかかってしまう点も民間業者が運営する相続コンサルティング等と同じです。

ただし、銀行ならではのメリットもあります。

資産承継

銀行の中でも信託銀行では、被相続人の立場で親族になるべく多くの資産を残したいと考える人向けに、資産承継のプランニングから財産の管理・運用まで行うサービスを提供しています。

こういったことの相談先としては、銀行以外にも税理士など適切なものが様々あります。

ただし以前から資産の管理・運用を信託銀行に任せている場合であれば、他のところに相談して一からやり直すよりも、その信託銀行に相談した方がスムーズにいく場合が多いでしょう。

遺言信託

信託銀行では、遺言書作成の相談から遺言書の保管、遺言の執行まで相続に関する手続き全般的に代行する「遺言信託」というサービスを提供しています。

遺言信託では遺言に関することを相談するのと同時に、資産の有効活用などお金に関する相談もできることや、遺言書を厳重に保管してもらえるなどのメリットがあります。

たしかに遺言書の保管については苦労している人も多いのが現状です。
分かりやすいところに置いておくと親族等に内容を見られて無用のトラブルを招いたり、改ざんされたりする恐れがあります。
かといって見つけにくいところに隠しておくと置き場所を忘れたり、亡くなった後に親族等が発見することができずに意味がなくなってしまうという問題があります。

公正証書遺言なら公証役場に保管してもらえますが、自筆証書遺言の場合は保管場所に困ってしまうのです。

ただし、2020年7月からは法務局で自筆証書遺言を保管してもらえる制度が始まるので、遺言信託の大きなメリットの一つがなくなります。
また、士業の事務所でも有料ですが自筆証書遺言の保管をやってくれるところが一部あります。

何よりも遺言信託はコストが高くつくので、必ずしもおすすめできるものとは言えません。

預貯金や有価証券の名義変更や換金

相続開始後の預貯金や有価証券の名義変更や換金は士業が代行できるものではないので、銀行などの金融機関に相談するしかありません。

相続税の納税資金の相談

相続した場合に相続税を支払えそうにないというケースもときにあります。
相続財産の中に不動産が占めるウェイトが高いケースでよくあります。

そういったケースでは、銀行に相談すると納税資金の融資が得られることがあります。
この場合、融資だけの相談をするよりも相続手続全般のサポートを受ける方が融資が通りやすいということも可能性としてはあるかもしれません。

役所など公的機関

役所などの公的機関でも相続に関する相談を受けることができます。
ただし、公的機関では手続に関する相談がメインで、相続をどのようにすれば良いかのアドバイスや節税対策などを教えてもらうことは基本的にはできません。

相続に関係する公的機関としては、市区町村などの役場、法務局、税務署があります。

市区町村などの役場

相続が発生したら、戸籍謄本や名寄せ帳を市区町村などの役場で取得する必要があります。
その手続に関する相談は窓口で受けることができます。

ほとんどの市区町村役場では生活相談窓口が設置されていて、いろいろな相談ができるようになっています。

相談員は相続の専門家ではないので複雑な相談には不向きですが、どこに相談に行けば良いのかを教えてもらうことはできるでしょう。

また、定期的に弁護士を招いての無料法律相談会を開催している市町村役場も多くあります。
無料法律相談会の開催状況については、生活相談窓口で尋ねれば教えてもらうことができます。

法務局

法務局では、不動産登記手続を行ったり、相続財産である不動産の登記事項証明書を取り寄せたりします。

登記手続を行う場合は、分からない点を法務局に相談することができます。

ですが登記手続は複雑なうえに細かい作業が多いため、通常は相談をしても自分で行うのは難しいものです。
法務局の職員も全くの初心者に分かるまで教えてくれるわけではありません。

したがって、通常登記手続は司法書士に依頼するのが無難です。

登記事項証明書の取得は難しくありませんし、分からないことがあれば法務局に相談すれば基本的に自分でできます。

税務署

税務署では相続税や贈与税など税金に関する相談をすることができます。

ただし、相談できるのは税金に関する一般的な説明を聞いたり、申告の手続に関することだけで、節税対策などは教えてもらえません

相続税についてはさまざまな非課税措置や減免制度を知っているかどうか、それらの制度を上手に使えるかどうかで納税額が大きく変わります。

税務署は、納税額が足りないときは指摘してきますが、納め過ぎたときは何も言ってきません

相続税の納税で損をしないためには税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

相続に関する専門家にはいろいろな種類があり、それぞれが異なる役割を果たしていることがお分かりいただけたでしょうか。

相続が絡んでくると、税理士だけでは済まない問題がたくさん出てきます。
遺族年金や健康保険の手続きなら「社会保険労務士」
遺産分割協議書や遺言書作成なら「行政書士」
相続登記なら「司法書士」
遺産分割争議の調停なら「弁護士」・・・

相続の相談は全ての士業が揃っている総合士業グループがお勧めです。

中でも、全国16拠点で展開している相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人)は相続税専門の税理士法人、司法書士法人、行政書士法人、社会保険労務士法人、弁護士法人、不動産会社が連携を取り、相続に関するあらゆる疑問や相談にいち早く対応できる態勢を整えています

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