急速に進む、日本の少子高齢化。その原因はどこに?

日本は今、子供が少なく、高齢者が多い、非常にバランスの悪い社会となっています。日本の総人口のなかで高齢者が占める割合がとても多い、高齢化社会。社会の高齢化の原因と、少子化の原因はなんなのでしょうか。その対策について、一人ひとりができることを考えてみましょう。

目次

  1. 高齢化社会とは、どういう状態をいうのか
  2. 日本の高齢化社会の原因は何か
  3. 少子化の原因は何か
  4. 少子高齢化対策、どうしたらいい?
  5. 高齢化の原因についてのまとめ

高齢化社会とは、どういう状態をいうのか

高齢化社会とは、総人口のうち高齢者の占める割合が増加した状態のことをいいます。
一般的には、高齢化率7%から14%を高齢化社会といい、14%から21%を高齢者が占めるようになったら高齢社会、21%を超えるようになったら超高齢化社会と認識しています。

高齢者が増加することが、なぜ問題となるのか。
『長寿』という言葉に『寿』というおめでたい文字がつくことからわかるように、本来、長生きをすることはおめでたいことです。

ですが、高齢者が増加すると、社会保障費に要する額が増大していきます。年金や医療費などにお金がかかるようになり、税として国に収められる収入よりも、消費される額のほうが大きくなっていくのです。

高齢者の割合が大きい高齢化社会になると、働いて税金を納める若年の方が減っていきます。年金や医療扶助を受給する高齢者が増え、納める側の若年労働者が減少すれば、納税者ひとりあたりの負担は増していくばかりです。
また、生活保護についても、働けない高齢者が受給する割合が増加しています。生活保護の財源にも、税金が投入されています。

こういった観点から、高齢化社会は問題視されています。

日本の高齢化社会の原因は何か

人々

では、高齢化社会の原因について考えてみましょう。
高齢化社会とは、人口が占める割合のことを指していう言葉です。単純に高齢者が増えたというだけでは、高齢化社会とはいいません。

なぜ、高齢者が占める割合が増えたのでしょうか。

まずひとつは、長生きをされる方が増えているということがあります。
昭和35年の頃は、男性の平均寿命は 65.32歳、女性の平均寿命は 70.19歳でした。それが、平成24年には、男性79.94歳、女性は86.41歳まで延びています。
たった数十年の間に、日本人の平均寿命はこれだけの変化を見せているのです。

高齢化社会のもうひとつの原因は、出生率の低下による、若年人口の減少があります。
人間は、歳をとっていく生き物です。若かった人も、時間が経てば歳をとり、高齢者となります。歳をとる人がいる代わりに、新しく子供が生まれてこなければ、若い方の割合は減少していくばかりなのです。

少子化の原因は何か

1990年代は高度経済成長期でもあり、一世帯あたりの子供の数が多かった時期です。その頃に生まれた方たちを「団塊ジュニア世代」と言います。その世代が年をとったことが、現在の高齢者数が多い理由です。
その後、一世帯あたりで子供を持つ数が少なくなったり、子供を持たない家庭や未婚の方が増えたりして、子供の出生数は概ね減少の一途を辿りました。年毎に見ると多少増えることはあっても、総じて見ると出生数は低いまま安定しています。

では、子供が減っている原因・子供が増えない原因とは、何があるのでしょうか。

少子化が進行していく理由

女性の社会進出

まず、理由のひとつとして、働く女性が増えたことがあるでしょう。
昔は、男性は社会に出て収入を得、女性は家を守るものという観念による役割分担が根付いていました。が、女性の社会進出が進むにつれ、女性が子供を産み育てたり、子供や年老いた家族など世話を必要とする家族の面倒をみる役割をこなすことが、時間や手間の面で難しくなってきています。

平成 26 年の女性の労働力人口は 2,824 万人と前年に比べ 20 万人増加し、男性は
3,763 万人と、10 万人減少した。この結果、労働力人口総数は前年より 10 万人増加
し 6,587 万人となり、労働力人口総数に占める女性の割合は 42.9%(前年差 0.3 ポ
イント上昇)となった。

厚生労働省の調べにより、働く女性が増加していることが明示されています。

未婚者数の増加

また、男性・女性とも、結婚せずに単身で過ごす割合が増加しています。それは、25歳から39歳のいずれともに見られる傾向です。女性の社会進出による経済的自立や、趣味や価値観の多様化も、結婚しないことの理由となっているでしょう。
単身者が増加しているこの事実は、総務省の国税調査による資料に表されています。

少子高齢化対策、どうしたらいい?

政府としても、少子高齢化社会について対策を講じています。
労働人口が減り、国の財源が乏しくなることは、国にとって危機的な状況だからです。

内閣府では、高齢社会対策基本法(平成7年法律第129号)に基づき、 高齢社会対策会議(会長:内閣総理大臣)において高齢社会対策大綱及び国会に対する年次報告(高齢社会白書)を作成するとともに、高齢社会対策に関する調査研究、国民に対する広報・啓発活動を行うなど、高齢社会対策の総合的な推進を図っています。

高齢社会白書や啓発運動の内容は、内閣府のホームページで見ることができます。

こういった取り組みがあるように、少子高齢化については、国としても大きな問題として扱っています。では、個人でできることはないのでしょうか?

生活や価値観の多様化や、女性の社会進出については、制限をかけることは難しいでしょう。
保育所に子供を預けて働く母親も増えています。保育士自身も、幼い子供を持つ親であることも増えています。

日本の人口自体が減少し、労働人口の確保が難しくなっている現代では、それを一概に「母親なのに働きたい・社会に出たいなんて、女性の身勝手だ」とは言えない状況があります。男性だけでなく、女性も重要な労働力なのです。

そこで、子育てについて支援ができる体制を整える制度が、整備されつつあります。
労働のために親が子供を見ることができなくても、社会がそれを受け入れられる仕組みをつくることです。親が食事を用意できない家庭に対して、子供の食事支援をおこなっている自治体も増えています。
自治体によって差はありますが、働く親を支援するしくみが重要だと認識されているのです。

身近にそういった取り組みがあれば、まず目を向けてみてはいかがでしょうか。
食事作りや、子供とコミュニケーションをとるボランティアを募集している場合もあります。子供を産むことは親となる男女にしかできないことですが、それを育てることについては、周囲がサポートすることができるはずです。
安心して育てられる環境があれば、産むことができるようになるのではないでしょうか。

身近なことから、できることから探してみることが大切です。
子育て支援について関わってみたいと思う気持ちがあるのならば、自治体に問い合わせをしてみると良いでしょう。

高齢化の原因についてのまとめ

人々

少子高齢化社会については、国民全員に関わる問題です。

高齢化率が高くなるあまりに、平成29年1月5日、日本老年学会・日本老年医学会より「高齢者とする年齢を引き上げる」という提言がされました。
現在は65歳以上を高齢者としていますが、「75歳以上を高齢者とし、65歳から74歳までは准高齢者とする」という内容です。

現在すでに高齢者としていろいろな給付を受けている方や、まもなく給付を受けられる年齢になる方は、大きな不安を感じたことでしょう。

ですが、不安を抱いているのは、今すでに高齢である方ばかりではありません。
現在若年の方だって、「年金が受給できないかもしれない」、「今の高齢者が利用できている制度は、自分が高齢になった時には利用できないかもしれない」と強い不安を抱いているはずです。

子供が暮らしやすい社会・子供を産み育てやすい社会をつくるため、まずは身近なことから目を向けてみてはいかがでしょうか。

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