世界から見た日本の宗教観とは。寛容な姿勢には驚きの声

世界から見た日本の宗教観とは。寛容な姿勢には驚きの声

筆者が住むカリブは完全に「宗教」といえばクリスチャン。ここにいる他の先進国の人々も大体クリスチャン。そんな彼らがもつ日本への興味は全く尽きません。そんな彼らが持つ、日本の「宗教」に対する姿勢への反応とは。そして皆が一番驚く日本の習慣とは。少しまとめてみました。

最終更新日: 2020年03月12日

まずは日本の宗教についておさらい

終活ねっと運営スタッフのサムネイル画像

終活ねっと運営スタッフ

今回「終活ねっと」では日本の宗教観に関して以下のような事柄を中心に説明していきます。

  • 日本の宗教観について
  • 世界の宗教観について
  • 日本の宗教っていったいなに?
  • 日本と世界の「神」はちがう?
  • 驚かれる?日本の習慣

時間がないという方やお急ぎの方も、知りたい情報をピックアップしてお読みいただけます。
ぜひ最後までお読みください。

日本人の宗教の信者数の割合は

信者数の割合を調べるとき、二種類の方法があります。
ひとつは登録している宗教法人に信者数を聞くこと。
そしてもう一つは、一定の人数に電話して割合を計ること。
調査方法として、宗教法人へ聞く方法は全く当てになりません。
全ての信者数を数えると日本の人口が2億を超えるから。
例えば死亡したか、または全く連絡がつかなくなって久しい信者でもなんでも全てカウントしてしまうからです。
団体の発表数と、実際に活動している人たちの差が10倍以上の開きがあることもしばしば。
しかも実際には、個人にアンケートを取って調査した結果「自分は無神論だ」という回答が半数を超えたという、宗教に熱心な人からすると悲しい結果も。
ちなみに残り半数近くの「宗教を信仰している」と回答した人たちの割合は、仏教が40%弱、残りを神道、クリスチャン、その他が分けるという形になっています。

日本は仏教の国?それとも神道?

日本書紀で書き記されている日本国の起こりは、天照大御神が作り出した島から日本が出来たというもの。
ヤマタノオロチ、ヤマトタケルノミコトなど、一度は聞いたことがあるであろう名前も全ては日本書紀に出ています。
そしてそれらは神道の神様たちなのです。
日本中に点在している様々な神社は全てこれらを含む神道の神様を信仰するためのもので、そういう意味では日本は神道の国ということができます。
しかし上記のアンケートにもある通り、宗教をしているという人のほとんどは自分を仏教徒だと言っており、世界的にも日本は仏教の国というイメージで持たれています。

日本人の宗教観

仏壇

日本人が持つ宗教観の根底にあるのはやはり神道。
どの神様も尊敬してしかるべきという観点から、仏教が伝来した時には仏教を受け入れ、そしてキリスト教が伝来した時にはキリスト教も受け入れました。
なぜなら元々「八百万の神」と呼ばれるように、神道には数えきれないくらいの沢山の神様がいるから。
今更一人二人増えたところで関係ないのかもしれません。

世界が持つ宗教観

お墓

同じ国の中でも、住む場所によって違いが

筆者が住むのはカリブ海に浮かぶある島国です。
ここはガッツリとクリスチャンの国。
重要な国の行事、祝日などのほとんども宗教色があります。
ほとんどの人は聖書を信じ、神様に信仰を持ちます。
しかし見たところ、田舎の人たちの方がより信心深く、都会に行けば行くほどに聖書や神様に対する絶対的な確信が薄れていくように感じます。
日々の生活の忙しさがそうさせるのでしょうか。

「宗教を大切にしている」とは言うものの

例えば、ほぼ全ての人は「宗教を大切にしている」と言います。
宗教にあまり時間を割かない日本人の習慣に驚きいる人がほとんど。
しかし生活をよく見ていると結局はそこまで大切にはしていないということがよく分かってきてしまします。
日本とは違ってクリスチャン国家ではクリスマスは本格的な宗教的行事。
国を上げて様々な教会などで催し物が行われるのですが、ほとんどの人は出席もせず友人や家族とお酒を飲んで楽しみます。
特にやはり、「古い」と言われる人と「若い」と言われる世代でその開きは非常に大きいようです。

「日本の宗教って何?」という質問

シントゥイスモ(神道)と答えてみる

神棚

基本的に、「え?それ何?」から会話がスタートします。
中には知っている人がいることに驚きますが、基本的に大学まで行っているような人のみ。
早い話が八百万の神様を信仰するんだよというところで皆驚きます。
興味深かったのが、「それじゃあギリシャ神話と同じだね!」というコメント。
確かに、共通する要素が沢山あって面白い意見でした。

ブディスタス(仏教)と答えてみる

ブッダは結局神様ではない、仏教の本懐は輪廻転生、そしてご先祖様をよく敬うことという、無神宗教論に皆驚きます(これは仏教内の中でも諸説あり)。
神様がいないで宗教が成り立つという訳ですが、結局はご先祖様たちが神様のような役割を果たして家族を守るという訳ですから、やはり無神というのは失礼なのかもしれません。

エンペラドール(天皇陛下)と答えてみる

人々が一番食いつくのがこの話題。
日本の場合、天皇陛下は元々は神道の神の中で一番強力な存在として祭られていましたので、他の世界の王室制度や皇帝制度とは一線を画するものです。
天皇家のシステム、以前の立場、現在など、世界では実は類を見ない皇室の作りは、かなりの興味を引くようです。
特にクリスマスすら祝日にはならないのに、天皇陛下の誕生日や以前の天皇たちの誕生日は祝日という部分には皆度肝。

「神」に対する日本と世界の物理的な違い

唯一絶対神を持たない影響とは

上述した通り、日本の宗教観点は絶対神的な観点ではなく、八百万の神との共存。
生贄をささげる代わりに守ってもらう、果てはお世話が必要な神様がいる、人間に大切にされない神様がいる等々…「神」というだけで尊敬しなければいけないという教育を、元々日本人は受けてきていません。
だからこそ様々な宗教が根付きますし、その代わり世界の他の場所と比べて宗教に打ち込む人も少ないのでしょう。

キリスト教やイスラム教の神様への忠誠

反対にキリスト教(唯一絶対神はヤハウェ、もしくはエホバ、イエスなど諸説あり。
ただ神は一人という考えは共通)、イスラム教(アラーの神)などは、神は絶対的力と権力を有している存在という教えです。
だからこそ生活の中心に神を置くことも容易、そして間違った方向(テロなど)にも向いてしまいやすいという要因にもなるのかもしれません。
ただ「神」という存在に対する敬意、尊敬の気持ちは、日本人には到底考えれないほどに染み込んだものがあります。

「罪」というものへの考え方の違い

日本人は基本的に、「罪」から離れているように教えられます。
それは「罪=犯罪」という意識にもつながるかもしれません。
しかしキリスト教などの考え方は、元々私たち自体が「罪」な存在だということ。
罪から離れることはできません。
不完全な私たちの状態が罪という教えだからです。
これがどういった意識につながるかというと、日本人特有の「自己責任論」が出にくいということ。
困っている人には施しを与え、失敗した人には許しを与える…なぜなら私たち自体が罪人であり、許しを求めているから…という考えに至るのです。
正直、どちらが良いのかは計りかねるものがあります。
何故なら、だからこそ堂々と貧乏人が金持ちにたかってお金を貰うから。
「上げるのが当たり前」という金持ちたちの一種クリスチャン的行動は、貧乏人たちをダメにしているのでは?と思うことも…。

一番驚かれる日本の宗教の習慣とは

クリスチャンが一番大切にする日

世界中のカトリックやプロテスタントなどが一番大切にするのは、やはりクリスマス。
そして3月か4月ごろにある復活祭です。
この日はテレビでも朝からイエス関連の番組、映画、ドラマがずっと流れています。
終戦記念日にジブリの「ホタルの墓」が流れるのと同じでしょうか。
それが一週間ほどずっと流れ続けるのです。
ただ、キリストのことを考える日というよりも家族が皆揃う日という意識の方が強くなってきているのは、やはり時代なのでしょうか。

日本人が一番大切にする日

よく、日本人にとってはいつが一番大事なの?と聞かれるのですが、これはやはり個人差があってどうにも答えようがない話題です。
しかしもし宗教的な意味でとなると、やはりお盆でしょうか。
ご先祖様の存在を思い出し、そして感謝を表すという習慣は、しかし海外のクリスマスと同様に家族が集まるチャンスともなっている点も併せて共通する部分が多いように思います。
そして年末年始。
この二つは日本人にとってもある種の一大イベントのような形になります。

一番驚く日本人の宗教行事の過ごし方

何かの儀式に驚く、というよりも日本人の年末年始の過ごし方に皆共通して驚きます。
24、25日はクリスマスイベントが目白押し。
31日には除夜の鐘がなり(仏教系イベント)、そして元旦には皆が神社に初詣に出かけます。
宗教に寛容な日本人らしい過ごし方だとは思いますが、やはりクリスチャンたちにはどうしても受け入れられないようです。
日本人がクリスマスを祝うということ自体が驚きポイントになっています。

まとめ。なぜ宗教観への違いが生まれるのか

伝統、習慣、それらが入り混じって日本の宗教観は生まれてきました。
また天災に多く見舞われたという歴史から、神は基本的に人間を保護するような存在ではなく単純な恐れとしての存在でしかなかったという理由もあるでしょう。
神様たちからの怒りに、自分たちの力で抗わなければいけないという理論は、様々な問題からの保護を神に頼むという姿勢が基本のクリスチャンとは相いれないもの。
どちらが間違っている、という話にはしません。
それぞれの立場によって結論は異なるでしょう。
ただその「違い」は非常に興味深いものでした。

また、下記の記事では日本の宗教の信者数の割合を紹介しています。
ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。

関連する記事

こんな記事も読まれています

  • 意外と知らない神社の教え「神道」ってなに?のサムネイル画像
    意外と知らない神社の教え「神道」ってなに?

    もっとも日本で有名な宗教は仏教だと思います。しかし、仏教はお寺の教え。実は日本には「神道」と呼ばれる神社の教えがあるのです。神社の教えである神道がどのようなものか紹介します。

  • 日本の宗教の割合を解説!実は神道が多い?のサムネイル画像
    日本の宗教の割合を解説!実は神道が多い?

    日本人は無宗教者が多いと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?たしかに特定の宗教を信じる人の割合は少ないかもしれません。日本における宗教の割合を、さまざまの機関の統計調査からまとめてみました。

  • 世界中の神々を神話の種類ごとに大紹介します!のサムネイル画像
    世界中の神々を神話の種類ごとに大紹介します!

    世界には種類多くの神話が存在し、そこにはさまざまな神が登場します。この記事では、そんな神々をいくつかの種類ごとにわけ、とくに知名度が高く有名な神をピックアップしてご紹介したいと思います。興味がある方は、ぜひご参考にされてください。

  • 神社と寺の違いって?それぞれの定義や参拝方法・建物の違いを解説のサムネイル画像
    神社と寺の違いって?それぞれの定義や参拝方法・建物の違いを解説

    日本人にとって神社と寺は大変身近な存在で、足を運ぶ機会の多い場所です。どちらも純和風な建物で一見区別がつきにくく、違いをうまく説明できないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、普段から馴染みの深い神社と寺の違いについて詳しく解説します。

  • 神社と宗教って関係あるの?宗教ごとの決まりやマナーを徹底解説!のサムネイル画像
    神社と宗教って関係あるの?宗教ごとの決まりやマナーを徹底解説!

    日本には、現在約80000もの神社があります。多くの人が一度は神社を訪れたことがあると思います。しかし、神社が何のための施設であり、どんな宗教に関係しているかご存じですか?今回は、神社と宗教の関係性と神社やお寺の参拝方法の違いについて詳しく紹介していきます。

  • 日本の方言は16種類!分布や特徴を解説!のサムネイル画像
    日本の方言は16種類!分布や特徴を解説!

    昨今のテレビやインターネットの発達で、誰もが標準語を扱うことができるようになりました。また、自分の住む地域以外の言葉を耳にする機会が増えました。その方言の多種多様さには驚くばかりです。今回は、日本に散らばる日本語のいろいろな形である方言についてまとめました。

  • 意外と多い?実は怖かった!怖い日本昔話とはのサムネイル画像
    意外と多い?実は怖かった!怖い日本昔話とは

    多くの人が小さいころから慣れ親しんできた日本昔話。実はそんな日本昔話にも怖いお話があります。今回はそんな怖い日本昔話を紹介します。

  • 天照大御神だけじゃない~日本神話に登場する華麗なる女神たちのサムネイル画像
    天照大御神だけじゃない~日本神話に登場する華麗なる女神たち

    日本の神話では八百万と呼ばれるほどたくさんの神が存在しています。山や海の神、家を守る神や安産の神。日本にはあらゆるところに神の存在があると言われています。そして天照大御神をはじめとする魅力的な女神たち、そんな神話の中で活躍する女神をご紹介していきます。

  • 日本で人形を家に飾る意味って?日本人形の意味と供養方法のサムネイル画像
    日本で人形を家に飾る意味って?日本人形の意味と供養方法

    日本の人形には色んな種類があるのをご存知でしょうか?意外と知らない日本人形の種類と人形の歴史について、供養の方法も合わせてご紹介していきます。

よく読まれている記事一覧

この記事に関するキーワード

カテゴリーから記事を探す

人気のキーワードの記事一覧

関連する記事

よく読まれている記事一覧

関連する記事