仏壇を置くのは東向きでいいの?|方角・宗派・仏間・北向き

仏壇を置くのは東向きでいいの?|方角・宗派・仏間・北向き

仏壇は置く場所はさまざまな慣習に則って決められていますが、仏壇の方角は東向きがよいというというのは本当でしょうか?今回は、仏壇を東向きに置くことについてや宗派ごとの違い、仏壇の置き場所について詳しく解説します。

最終更新日: 2020年02月29日

仏壇を置く方角は東向きでいいの?

仏壇

仏壇は単に部屋に置けばよいというわけではなく、さまざまな慣習に則って置く場所が決められています。
特に仏壇の方角は東向きがよいと言われていますが、根拠はあるのでしょうか?

今回「終活ねっと」では、仏壇を東向きに置くことについてや宗派ごとの違い、仏壇の置き場所について詳しく解説します。

  • 仏壇は東向きに置くのが正しいの?

  • 宗派ごとに向きが違うって本当?

  • 仏壇を北向きに置くのは避けた方がいいの?

  • 仏壇を置くのに適した部屋はどこ?

  • 仏壇を置くことを避けた方がよい場所はどこ?

  • 2階建ての家の場合、仏壇はどこに置けばいいの?

  • 仏壇の高さはどれくらいにすればいいの?

  • 仏壇の大きさによって置き場所は変わるの?

  • 仏壇の上に物を置いてもいいの?

  • 神棚と同じ部屋に仏壇を置いてもいいの?

以上の項目について解説します。
仏壇の向きや置き方について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

やはり仏壇は東向きに置くべき?

仏壇

仏壇は東向きに置くべきだとする風習は有名ですが、実はそう単純な話ではありません。
以下で仏壇を置く向きについて詳しく解説します。

仏壇の向きは宗派によって異なる

実は仏壇の向きは宗派ごとに異なっており、単に東向きに置けばよいというものではありません。

元々仏壇の向きに特別な決まりはありませんでした。
そもそも仏教には方角によって吉凶などが決まるという考え方はありません。
仏はどの方角にもいるものとされているため、東向きだろうが西向きだろうが関係ないというのが本来の仏教の思想です。

しかし、方角による吉凶占いを行う陰陽道や風水などの影響を受けて徐々に向き(方角)を気にするようになり、宗派ごとにさまざまな考えが生まれて現在に至ります。

以下で各宗派の向きの違いについて解説しますが、無理にこの向きに置く必要はありません。
現在の日本の住宅事情を考えると、仏壇の向きを気にする余裕がない人の方が多いでしょう。
可能であればこの向きに置けばいい、という程度のものだと考えてください。

東向きに置く宗派

仏壇を東向きに置く主な宗派は、浄土宗や浄土真宗、天台宗などです。
東向きに置く考え方は、正確には東面西座説、もしくは西方浄土説と呼びます。
仏壇の正面を東に向けて置くため、仏壇を拝む人は西を向いて拝むことになります。

仏教における西は、阿弥陀如来が住む西方浄土がある方角です。
先に挙げた3つの宗派はいずれも阿弥陀如来を本尊としているため、信徒が西方浄土を向いて拝めるように仏壇を東向きに置くようになったと言われています。

南向きに置く宗派

仏壇を南向きに置く宗派は、曹洞宗や臨済宗などの禅宗です。
南向きに置く考え方は、正確には南面北座説と呼びます。
仏壇の正面を南に向けて置くため、仏壇を拝む人が北を向いて拝むことになります。

仏教の開祖である釈迦が南向きに座って説法していたと言われていることから、この考え方が生まれたとされていますが、中国で貴人が座る向きに倣った慣習だとも言われています。
この説をとる曹洞宗や臨済宗などの禅宗は中国で生まれた仏教の一派であるため、中国の慣習が混じっている可能性は大いにあります。

総本山に向けて置く宗派

仏壇を総本山に向けて置く宗派は、真言宗です。
総本山に向けて置く考え方は、正確には本山中心説と呼びます。
仏壇を拝む向きが宗派の総本山(高野山真言宗であれば和歌山県の高野山にある金剛峯寺)になるのがよいとされているため、総本山とは反対の方向に仏壇の正面を向けます。

この考え方をとった場合、仏壇の方角はケース・バイ・ケースです。
信徒がどこに住んでいるかによって総本山の方角が変わるため、仏壇の向きを特定の方角に定めることができません。

向きが決まっていない宗派

仏壇の向きが特に決まっていない宗派は日蓮宗です。
東面西座や南面北座などの特定の説はとらず、基本的に自由に置いてよいとされています。

北向きは避けた方がいいの?

仏壇を北向きに置くことを避ける慣習がありますが、実は仏教の教えとはほとんど関係がありません。
先に解説した通り、仏教には方角による吉凶占いはないため、北向きは避けた方がよいという根拠はありません。

北は基本的に日照が少なく環境が悪いため、仏壇を置くのに適していないと考えることもできます。
しかし、この考え方をとったとしても、住宅事情によっては必ずしも北の環境が悪いとは限らないため、北を必ず避けなければならないという理由にはなりません。
北向きを避けるという考え方は、根拠のない俗信と考えてよいでしょう。

仏壇を置く場所について

仏壇

仏壇は置く場所を決める際には、方角以外にも考慮しなければならないことがあります。
以下で詳しく解説します。

仏壇を置く部屋について

仏壇を置く部屋というと、ほとんどの人は和室を思い浮かべるでしょう。
しかし、仏壇を置く場所は和室だけとは限りません。
以下で詳しく解説します。

仏間や床の間

仏壇を置く部屋としてすぐに思い浮かぶのは仏間や床の間のある部屋です。
仏間とは、仏壇や仏像、位牌などを安置するために造られた部屋のことです。
お寺で本尊を安置する建物を本堂と呼びますが、一般家屋において本堂の役割を果たす部屋が仏間だと考えればよいでしょう。

仏間の間取りは正確に決まっているわけではありませんが、一般的には先に解説した仏壇を置く方角(東面西座説や南面北座説など)に合わせて間取りを決めた畳敷きの和室です。
仏壇を置くのに最も適した部屋ですが、全ての住宅にあるわけではないため、必ずしも仏間に置く必要はありません。

床の間とは、畳敷きの部屋に造られた一段高い場所のことで、正確には「床(とこ)」と呼びます。
元々は仏像を飾っていた場所とされているため、起源からすると仏壇を置くのに適した場所です。

ただし、現在は仏壇に限らず、掛け軸や絵画などを飾る場所になっており、仏壇専用の場所という印象は薄れています。
床の間のない和室も多いため、必ずしも仏壇を床の間に置く必要はありません。

和室

仏間や床の間はなくとも、普通の和室であれば家にあるので置けるという人も多いでしょう。
仏壇は基本的に和風のデザインになっているため、和室のインテリアにはよく調和します。
床の間がなくとも台付きの仏壇を選んだり押入れに置いたりするなど、仏壇を安置する方法はいくらでもあります。

ただし、一軒家であればともかく、アパートやマンションだとそもそも和室がないというところも多いため、日本の住宅事情を考えると厳しいところもあります。

仏間や床の間、和室がない場合

仏間や床の間、和室がない場合は、リビングなどの洋室でも構いません。
そもそも仏壇を必ず仏間や床の間、和室に置かなければいけないという決まりはなく、洋室に置いても問題はありません。

洋室だと和風のデザインである仏壇が浮いてしまうという問題がありますが、近年はモダン仏壇などの洋室に合わせたデザインの仏壇も販売されています。
個々の家の事情に合わせて置き場所を決めるとよいでしょう。

避けたほうがいい場所

仏壇を置くことを避けた方がよい場所は、直射日光が当たるところや湿気が多いところなどです。
仏壇は基本的に木材でできているため、直射日光や湿気は仏壇の劣化を早めます。
仏壇は基本的に高級品であるため、劣化したからといってそう簡単に買い換えるわけにはいきません。

また買い換える余裕があったとしても、すぐに傷んでしまうような場所に仏を安置することは褒められた行為ではありません。
先に仏壇を置く方角について解説しましたが、最優先すべきなのは仏壇が傷まず長持ちする環境を確保することなのです。

2階建て以上の家の場合

2階建て以上の家の場合、仏壇を1階に置くべきか2階以上の部屋に置くべきかという問題ありますが、基本的にどちらでも構いません。
仏壇の上に人がいると仏様に失礼だから2階がよいとも言われていますが、実はこの考え方は近代に生まれたものです。

そもそもかつての日本はほとんどが平屋だったため、仏壇の上に部屋はありませんでした。
しかし、近代になって2階建て以上の建物が増え、仏壇の上に部屋があるケースが増えたことから、このような考え方が生まれました。

実際にこの考え方に従おうとすると、アパートやマンションでは最上階でない限り、どう頑張っても仏壇の上に人がいることになります。
仏壇の上に「雲」という字を貼れば大丈夫とも言われていますが、この風習は神道由来のものです。
2階建てでも平屋と同じ考え方で仏壇の置き場所を決めましょう。

仏壇の置き場所についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

仏壇の置き方に関する注意点

仏壇

仏壇を置く部屋が決まったらいよいよ仏壇を安置しますが、仏壇の置き方にも注意する必要があります。
以下で詳しく解説します。

仏壇の高さについて

仏壇の高さは、拝む際に自身の目線が本尊の目線よりやや下にくるとよいとされています。
これは本尊を見下さないようにするための配慮です。
本尊は仏教の各宗派において中心的な信仰対象となる仏です。
その本尊を上から見下ろすのは大変失礼であるため、下から拝むようにするのです。

仏壇の大きさによる違い

仏壇は部屋のスペースを取る大きいものだという印象がありますが、実際にはさまざまな大きさの仏壇があり、大きさによって適した置き方が変わります。
以下で詳しく解説します。

大きな仏壇の場合

大きめの仏壇(台付き仏壇など)は、置くスペースをあらかじめきちんと確保することが重要です。
仏壇自体が安定しているため安置しやすいですが、部屋のスペースを取るため、購入前にきちんとサイズを測って置き場所を確保しましょう。

畳に置く場合は、そのまま置いてしまうと重さで畳を痛めてしまいます。
仏壇の下に敷物を挟むなどして畳が傷まない工夫をしましょう。
最近は押入れやクローゼット内に仏壇を安置する人も増えているので、部屋にスペースがない人は検討してみるとよいでしょう。

小さな仏壇の場合

小さな仏壇(上置き仏壇など)の場合は、タンスなどの家具の上に安置するのがおすすめです。
最近の仏壇は日本の住宅事情に合わせた小ぶりなものも多く、30cm程度の高さしかないものも珍しくありません。

このような仏壇は、安定した他の家具に上に安置するだけなので、誰でも気軽に仏壇のある暮らしができます。
ただし、先に解説した目線の高さなどはきちんと考慮して置き場所を選びましょう。

仏壇の上には何も置かない

たとえ頑丈な仏壇を購入したとしても、仏壇の上に物を置いてはいけません。
仏壇の耐久性の問題もありますが、何より仏の上に物を置くのは大変失礼なことです。
線香やロウソクのような仏具のストックをつい置きたくなりますが、仏壇の上には何も置かないようにしましょう。

同じ部屋に神棚がある場合

仏壇と神棚が同じ部屋にあっても構いませんが、向かい合せに置くのは避けた方がよいとされています。
仏壇と神棚を向かい合わせに置いてしまうと、一方を拝む際にもう一方に背を向けて拝まなければならないため、双方に失礼になってしまうからです。

先に解説した仏壇の向きなども勘案して、向かい合わせにならないような置き場所を選びましょう。

仏壇を置く方角は東向きかまとめ

仏壇

いかがでしたか?
今回「終活ねっと」では、仏壇を置く方角は東向きかどうかについて解説しました。
最後に記事の要点をまとめておきます。

  • 仏壇の向きは宗派ごとに異なっており、東向きに置けばよいというものではない。
    元々仏壇の向きに特別な決まりはなかったが、徐々にさまざまな考えが生まれてきた。

  • 仏壇を東向きに置く主な宗派は浄土宗や浄土真宗、天台宗など、南向きに置く宗派は曹洞宗や臨済宗など、総本山に向けて置く宗派は真言宗など、特に決まっていない宗派は日蓮宗である。

  • 仏壇を北向きに置くことを避ける慣習があるが、実は仏教の教えとはほとんど関係がなく俗信である。

  • 仏壇を置くのに適した部屋は仏間や床の間、和室などだが、全ての住宅にあるわけではないため、洋室でも構わない。
    洋室に合うデザインの仏壇もある。

  • 仏壇を置くことを避けた方がよい場所は、直射日光が当たるところや湿気が多いところなどである。
    直射日光や湿気は仏壇の劣化を早めるため、できるだけ避ける。

  • 2階建て以上の家の場合、仏壇を1階と2階以上の部屋のどちらに置いても構わない。
    仏壇の上に人がいると仏様に失礼だとも言われるが、近代に生まれた考え方なので、気にする必要はない。

  • 仏壇の高さは、拝む際に自身の目線が本尊の目線よりやや下にくるようにする。
    本尊を見下さないようにするためである。

  • 大きめの仏壇(台付き仏壇など)は、置くスペースをあらかじめきちんと確保しておくことが重要である。
    小さな仏壇(上置き仏壇など)の場合は、タンスなどの家具の上に安置するとよい。

  • 仏壇の上には物を置かないようにする。また神棚と仏壇を同じ部屋に置いてもいいが、向かい合わせてはいけない。

仏壇に関わる風習を守ることも大事ですが、最も大事なのは日々仏と向き合うことです。
最低限の知識はあった方がよいですが、あまり風習にとらわれすぎないようにしましょう。

「終活ねっと」では、他にも仏壇や葬儀に関する記事を多数掲載しています。
ぜひそちらもご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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