「高齢者」の定義から少子高齢化問題を考える

平均寿命の急激な延びと、出生率の低下による少子高齢化の問題が浮き彫りになってきています。少子高齢化は高齢者の定義が曖昧になっていることも実態を分かりにくくしている点ではないかと考えられています。今回はこの問題について高齢者の定義から考えてみようと思います。

目次

  1. 少子高齢化問題とは?
  2. 少子高齢化で起こりうる問題点
  3. 少子高齢化問題はどう考えるべきか?
  4. 高齢者の定義から考える
  5. 高齢者の定義は時代によって変わることも
  6. まとめ

少子高齢化問題とは?

介護

日本では、平均寿命の上昇も伴ってお年寄りの人口が多くなる傾向があります。一方、晩婚化などで出生する子供も割合は年々減少しており、少子高齢化社会が進んだともいわれます。

社会問題の中でも、少子高齢化は日本を含めた先進国で顕著です。例えば、先進国では医療技術が発達し高齢者でも健康に過ごしやすい環境が整っています。また、栄養面でもサプリメントなどの効率の良い栄養摂取方が開発されており、平均寿命の向上に大きく貢献しています。

その一方で、生き方の多様性が広く認められる社会となりつつあるため、結婚年齢が遅くなったり、子供のいない家庭が増えたりと、出生率は軒並み減少傾向が続いています。政府も2007年8月から「少子化対策担当大臣」を置くなど対策を講じていますが、少子化問題に対し目立った効果は出ていないのが現状です。

では、まず少子高齢化で起こりうるとされる問題はどのようなものか見てみることにしましょう。

少子高齢化で起こりうる問題点

労働力不足

少子高齢化になることによって、まず起こりうる問題は労働力人口の減少です。現在の制度では、65歳を迎えた段階で定年退職となるケースが多く、それ以上の年齢で働き続けることはあまりありません。つまり65歳以下の人の割合が少なくなれば、社会を支えるための労働力が年々減少していくことになります。

そのため生産業や製造業などでは、社会に必要な需要が労働者不足によって賄いにくくなってしまうことが考えられます。特に農業の分野では、農家の後継者不足が顕著で、少子高齢化もこの問題に拍車をかけているとい言われます。

社会保障費の増大

少子高齢化の次なる問題は社会保障費の増大です。社会保障費は少子高齢化が進むと歳出を圧迫するとされており、2015年には約33兆円にまで上りました。特に社会保障費の一部である総年金支給額の割合は年々増えている傾向にあります。

国は、これらの予算に対応するため消費税の増税などを行い税収の増加を図っていますが、社会保障費を賄えるだけの安定した財源確保には至っていないのが現状です。このまま少子高齢化が進めば、社会保障費の財源が不足し、老後の安定した生活が送りにくくなることが懸念されています。

経済活動の停滞

これらの少子高齢化問題を総合する意味で、経済活動の停滞が挙げられています。例えば労働力不足になれば需要が供給を上回り続ける状態が続き、物の値段が急騰してしまう恐れがあります。これが生活必需品にまで及べば、最低限の生活を送るために必要な物品までが購入できないといった状態になりかねません。

また、社会保障費の財源確保のため増税などを行えば、経済状況の悪化を招いてしまいます。特に経済状況の芳しくない状態での増税は、景気を悪化させるだけでなく歳入自体も伸び悩む結果となります。

少子高齢化問題はどう考えるべきか?

ここまでは、少子高齢化による考えられる問題についてご紹介しました。しかし、そもそも少子高齢化自体を問題とすることは果たして妥当なことなのでしょうか。今回は「高齢者の定義」という観点を中心に、この問題を検証してみましょう。

高齢者の定義から考える

人々

まず、高齢者の定義とは現状ではどのようなものなのでしょうか。高齢者の年齢について国民年金法では、老齢基礎年金を受け取ることができる65歳以上を高齢者と定義しているようです。

しかし、国連や世界保健機構(WHO)などは、厳密に「何歳以上から高齢者」といった定義は定めていません。つまり平均寿命など、その国の事情によって高齢者の定義はさまざまになることが予想できます。

高齢者の定義は時代によって変わることも

日本老年学会の調査では、同じ年齢でも体の働きや知的能力が2000年当初に比べ5~10歳程度若返っているとの報告があります。これは生活環境が改善されたことや、医療、健康技術の大幅な向上があったためとされています。また、厚生労働省の調査でも、高齢者と思う年齢は70歳以上と考える人が半数以上を占め、65歳から高齢者とすることには否定的な意見が多かったとする報告があります。

現在の高齢者の定義は、今から50年程度前のものをそのまま使用している状況です。そのため、この定義が時代背景の変化についていけなくなっているのではという意見も散見されます。また、現在でも心身共充分に健康な65歳以上の方の割合も多くなり、まだまだ働ける状態でも定年退職させられてしまうという実態もあるようです。

こういった背景を踏まえて、日本国内でも高齢者の定義をどのようにするかについての議論が活発化していくのではないかと言われています。その時代の社会情勢に合わせた高齢者の定義がなされることが重要になるでしょう。

まとめ

人々

少子高齢化は、今後の日本の社会に対し大きな問題となる可能性があります。その一方で健康で働く意欲のある高齢者がおられる実態もあります。今後は「高齢者」の定義について、国民一人一人が真剣に考えていくことが重要になるのではないでしょうか。

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