夏の短歌にぴったりな歌をご存知だったりしますか?

夏にぴったりの短歌をご紹介しています!皆さんにはぜひ興味を持ってみていただきたいです。自分が思っていること感じていることが詠われているかもしれません。夏の短歌を探してみてくださいね。

目次

  1. 夏の短歌の季語について
  2. 持統天皇(じとうてんのう)
  3. 清原深養父(きよはらのふかやぶ)
  4. 従二位家隆(じゅうにいいえたか)
  5. 源俊頼(みなもとのとしより)
  6. 中務(なかつかさ)
  7. 夏の短歌まとめ

夏の短歌の季語について

短歌の夏の季語は、なにがあるでしょうか。ご紹介します。
季語は昔使われていた月の満ち欠けによって日を決め、満月の日を十五日とした昔の暦である旧暦をもとに分類されているようです。

短歌の夏の季語

夏らしいものを思い浮かべると、結構季語に入ってますが、いくつ思い浮かべられましたか?少しだけですがご紹介します。

生き物

鮎・蛍・セミ・初ガツオなどがそれにあたります。

植物

アジサイ(紫陽花)・ショウブ(菖蒲)・青葉・万緑などがそれにあたります。

気象・天文

風薫る・五月雨(さみだれ)・涼風(すずかぜ)・雲の峰などがそれにあたります。

行事・生活

端午の節句・風鈴・花火・扇・土用・短夜(みじかよ)などがそれにあたります。

持統天皇(じとうてんのう)

「春すぎて 夏来にけらし 白妙(しろたへ)の 衣ほすてふ 天の香具山(あまのかぐやま)」

こちらの短歌の訳は、「春はいつしかすぎゆき、もう夏がやってきたようだ、夏ともなると白妙の衣を干すのが習いのあの香具山に、今年もまた白い着物が並び始めたそうだ」と、なります。
持統天皇が短歌を詠んだこの時代の夏は、現在の奈良県であり藤原京があった場所を囲む大和三山の一つで、天から降ってきたとされている天の香具山に、白い衣が並び干されていたのではないかと思います。その光景が見えることで、もう春が過ぎて、夏が来たんだと言っているのです。

清原深養父(きよはらのふかやぶ)

「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいずこに 月宿るらむ」

こちらの短歌の訳は、「夏の短い夜に興じて私は月を眺めていた、まだ宵の口だと思っていたのに、なんともはや白々と夜が明けてしまった。この速さでは、月は沈む間もなかっただろうに、いったいどこの雲の中に宿っていることやら」と、なります。
まだまだ、夏の夜の月を眺めて楽しんでいたいのに、いつのまにか陽がでて明るくなってしまった、まだ月はどこかの雲に隠れているはずなのに、短すぎる夜だ、と思っていたのではないでしょうか。

従二位家隆(じゅうにいいえたか)

「風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける」

渓谷

こちらの短歌の訳は、「楢(なら)の葉に風がそよぐころには、このならの小川のあたりの夕暮れはもうすでに秋を思わすすずしさがする。けれどあそこでみそぎする姿を見れば、今はまだ六月(みなづき)で、夏なのだ」と、なります。
ならの小川とは、京都市上賀茂神社の近くを流れる御手洗(みたらし)川のことで、上賀茂本殿の東に奈良社という社があり、その前を流れるのでこう呼んでいるようです。ならに楢をかけている短歌になります。みそぎぞは禊のことで、身の穢れを清めるために水をかぶることです。この短歌は、六月祓(みなづきはらえ)という神事のために禊をする姿をみて詠んだ歌になるようです。

源俊頼(みなもとのとしより)

「とをちには 夕立すらし ひさかたの 天の香具山 雲隠れゆく」

こちらの短歌の訳は、「ここから遠くの地にある、大和の十市(とおち)の里には夕立が降っているらしい。天の香具山がみるみる雲に隠れていってしまった」と、なります。
むかし大和の国には十市郡があり、現在の奈良県にあり同じ奈良県に天の香具山もあります。とをちは「十市」に「遠地」をかけて、遠くの場所を意味しています。なので、この短歌は、自分は全く別の場所から遠くの地のほうをみると、夕立によって天の香具山に雨雲が覆いかぶさり、隠れて見えなくなってきた、ということを表した歌なのです。

中務(なかつかさ)

「夏の夜は 浦島の子が 箱なれや はかなく明けて くやしかるらむ」

こちらの訳は、「夏の夜は浦島の子が海神(わだつみ)の姫から貰って帰ってきたという、あの玉手箱のようで、あっけなく明けて(開けて)くやしい思いをするのでしょうか」と、なります。
聞いたことがあると思いますが、「開けて悔しき玉手箱」という慣用句があります。そのもとになったのが、この短歌ではないかと思われます。拍子抜けしたような、満たされぬ思いの例えとして詠み人である中務は、浦島太郎が竜宮の乙姫様から貰った玉手箱を使ったとされます。夏の夜のあっけないほどの短さに嘆いている様子がうかがえます。

夏の短歌まとめ

いかがでした?夏の短歌っていろいろありましたね。この他にも近代・現代の短歌でもたくさん詠まれています。今回は、百人一首など昔の短歌をメインにご紹介させていただきました。私も、夏の夜は短いな、でも冬は長すぎるしと思っていました。とっても、共感できる歌でついつい口に出して読んでしまいたくなります。これから、冬が終わり、春が過ぎれば、夏が訪れます。そのとき、あなたはどう感じるのでしょうか?私もまた、新しい発見が、思いが浮かんでくるのかもしれません。その時は、自分の言葉で自分だけの短歌を詠んでみようかと思います。あなたの夏の短歌を読むのを楽しみにしています。

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